で、正門前にあるのが、この立派な建物、台湾国立博物館。上野の国立科学博物館によく似た、すなわちスミソニアンの自然科学館のコピーっぽい建物ですが、これも日本統治時代の建物。ちなみにかなり立派に見えますがそれは正面から見た時だけで、実際は奥行きはほとんど無い、かなり小さな建物です。日本統治時代から博物館(台湾省立博物館)だったのですが、当時でもかなり小型な部類でしょう。

ちなみに台北駅を出て南側の大通りの奥に見えるギリシャ・ローマ風の妙に立派な建物がこれです。



入り口を入ってすぐの場所に展示されてるチョー愛嬌のある虎の旗は幻の台湾民主国(Formosan Republic)の国旗。

台湾民主国は日清戦争の敗戦により、台湾が清から日本に割譲される事になった後、これに逆らい、独立国家として台湾独自の自治を行おうとした組織です。こう書くとなんだか英雄譚のようですが、実際は清の支配と当時の軍閥のドロドロが生んだもので、そう大したもんじゃないです。そして日本軍が台湾に上陸すると、速攻で組織は空中分解、それでも各地で戦いを挑んだものの連戦連敗、ほとんど実態を持たないまま、半年後には事実上崩壊します。

もしこの国家が存続してたら、この世界でも他に類を見ない国旗が成立していたわけで、ちょっと見てみたかった、とも思います。ただしこの国旗は1909年製作とされるので、とっくに日本統治下に入った時期ですから、後世の模写とかかもしれません。

 

入り口。ここを見学するかちょっと悩んだのですが、この好天下、そう博物館ばかり見てもな、という事で見送り。またいずれ、ですね。



今回の旅行で、かなり驚いたものの一つ、園内にあった古い蒸気機関車の展示。ただしガラス張りの建物に入ってるため、反射でまともな写真が撮れず。

左側は台湾最初の蒸気機関車、騰雲(テンヤン)号で1888年に導入されたもの。当初は台北から基隆までの路線に使われたとの事。でもって1888年なら日本の統治以前ですから、すでにその頃から台湾に鉄道があったのね、と驚く。

さらに衝撃だったのが右側の9号機関車。これは1872年の東京〜横浜間鉄道開通に伴い、日本に輸入された最初の蒸気機関車の中の一台です。すなわち日本最古の蒸気機関車の中の一台が台湾にあるのです。

この車両を含めて形式が異なる5種類の機関車計10台が鉄道開通に伴いイギリスから日本へ輸入されました。その中の1号機関車は埼玉の鉄道博物館に保管され、重文に指定されておりますから、歴史の重みを感じる車両です。
ここで展示されてる9号機関車は日本で使用された後に台湾に渡り、ここで保存されていたのだとか。この日この時この場所に来るまで全く知りませんでした。えらく地味な展示ですが、かなり貴重なものだと思うんですけども…。



と言った感じでもう少し公園内を散策してみましょうか。
 


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