さて、今回は「台湾の深夜テレビ2019 前編」だよ、ペロ君。
「やけに題名が長いね」
まあ、気にするな。台湾の夜中のテレビ放送は各種仏教団体が各チャンネルで自派の宗教番組をガンガン流す状況なのは前回、2016年の旅行記で書いた通り。でもって今回もまあそんな感じだった。アメリカの深夜番組はキリスト系の新興宗教だらけだけど、あれが仏教系になるのが台湾なんだ。
「はあ、さいで」
放送電波における坊主頭占有率では恐らく世界最強なのが台湾の夜だ。こんな感じの映像がデジタル信号で毎日夜空を飛びまくってると思っただけでも興奮するな。
「いや、それはあんただけ」
でもって今回注目なのがこれ。
そういった仏教系チャンネルの一つで毎晩やってた英会話教室だ。このようにお坊さんが英語の初歩を教えてくれる。ちなみにこの人は女性、すなわち尼さんである。中国語の場合、日本語と違って文法はヨーロッパ系言語と同じなんで、単語を並べただけでも一定の会話は成立するからか、単語、熟語を羅列するだけ、という授業内容だった。
ちなみに夏目漱石はもともと漢文屋で、自分で漢詩を作れるくらいの漢文の知識があった。それが帝大に入る時に英語に乗り換え、こちらもシェークスピアの文体の癖を再現しちゃうくらいの知識があった。これをもってして語学の天才みたいな事が言われる事があるが、それはちょっと違うんだよ。レ点とかそんな馬鹿な日本式の仕組みを使わずに最初から中国語として漢文を読めば、基本文法が主語+動詞+目的語で英語と同じなんだから、漢文も英語もそんな差はないんだ。
「…それはいいけど、なんでお坊さんが英会話?」
さっぱり判らん。英語の方は言ってる事判るんだけど、私の場合、中国語は字幕が無いと何言ってるのか見当もつかんからな。
並んでる単語からすると海外の空港における入管対策英会話かと思うんだが、なんでto
cut in
なんて言い回しがあるのかよく判らん。中国語からして会話に割り込む、の意味で紹介してるようだし。観光で来ました、といった言い回しが無いし、先輩とか後輩とかが出て来るから、布教で海外に送り出される皆さん用かな。
「いや、でも布教に必要な英語か、これ」
判らん。そもそも翌日の放送ではこうなってたし。
「免税店はどこ?」
だね。こうなると完全に観光英会話っぽいが、そうなると何でお坊さんが観光用英会話を教えてるのか、全く判らん。
「…だなあ」
まあ、御仏のココロは広大なんだろうな。という感じで、今回はここまでだ。
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