途中に展望台がありました。高いとこ大好きな私はこれを避けて通ることができませぬ。
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そこからの眺め。左奥のあたりがおそらく台湾を代表する港町、基隆なのですが、ここからでは見えません。
ちなみにこの風景、どこかで見たな、とずっと思ってたんですが、帰国後、あ、非情城市の映画の中で見た風景だと思い出す。ここだけ切り取ると、1989年当時からそれほど変わって無いようです。映画の内容はほとんど忘れてしまってるのに、こういったところは覚えてるもんだなあ、と変に感心する。
ちなみに非情城市の映画の中でも九份(チウフェン)はずっと天気が悪いのですが、職場の台湾マニアの人に聞いたら、この一帯はとにかく晴れないので有名なんだそうな。
ついでに1989年はちょうど漫画「拳児」の台湾編が始まった辺りなんですが、今考えると、えらく危ない時期に台湾編の連載をやったもんだなあ、と思います。あの作品中でも傑作といっていい話が続く台湾編ですが、今読み返すと、民主化とか国民党独裁の問題を微妙に避けてるのが判ったり。
ついでにあのマンガは単純に格闘技漫画としても傑作ですが(セガのバーチャファイターに与えた影響は有名だと思う)、実は中華な秘密組織、幇(パン)に関して恐らく日本一詳しい資料となってます。これ、原作の松田先生、実はそうとは知らずに単に武術集団だと思い込んで取材し、そのまま書いてたんじゃないか、という気がしてるのですが、中国の武術集団は伝統的に幇のような秘密結社なのが多かったのです。
このため、本来は格闘技のマンガだったんですが、その作品中で共産中国で滅び、台湾で生き残った青幇(チンパン)の末裔、幇の組織が見事に描かれてます。入団の儀式とか、日本語で読めるのはこれくらいですから、そっちに興味がある人も一読をお勧めします。普通に面白いですしね。
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そこから見下ろす2019年の風景。観光バスだらけ。再びヤな予感がしたんですが、ここまで来ちゃったんだからしかたない、行きましょう。
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展望台から海とは反対側を見るとこんな感じ。あの人が溢れてる辺りが老街の入り口のようですね。行って見ましょうか。
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中はこんな感じです。
細い路地、左右のお店とアジア的、台湾的ではあるんですが、かなり小奇麗であり、さらに観光客向けのお土産、飲食系の店ばかりで、古き良き鉱山街のようなものを想像していた私としては、かなりアテが外れた感あり。
まあ、とりあえず奥まで進みましょう。
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