でもってこの施設で一番興味深かったのがここ。
沖縄の生活に関するさまざまな展示があり、民俗学、宗教等に興味がある方はぜひ一度訪問する価値があります。が、旅行記でそこまで脱線するのもなんだし、そもそも書くのも大変なので、ここでは詳細には触れませぬ(手抜き)。

 

ただしこれはちょっとびっくりしたので掲載しておきます。
アメリカ軍の増槽、機体の下にぶら下げて行く増加式燃料タンク(Drop tank)をボートにしてしまったもの。海軍のものでは無いし、ムスタングのモノにしてはデカいので、おそらくP-38用のタンクじゃないかと。
沖縄戦でP-38が投入されたかは知らないのですが、戦後になってからの基地からの放出品だろうと思います。

ちなみに高速飛行の戦闘機にぶら下げて持って行く増槽は流線形で空気抵抗が小さい上に頑丈に造られてます。なので戦後、これが大量に民間に払い下げられると、エンジン積んで車輪付けてレーシングカーにしてしまう(笑)連中がアメリカに登場するのです。これが、いわゆるベリータンカー(Belly Tanker)、ベリータンク レーサー(Bellytank racer)と呼ばれるホットロッド、直線勝負番長レーシングカーでした。アメリカ人、無茶するよなあ、と思いますが、意外に現物はカッコよかったりします。

ちなみに外板で構造強度を維持する、すなわち内部に骨組みなんてない増槽はこれすなわちモノコック構造ですから、レーシングカーとしてはF-1なんかよりずっと早い時期のモノコックボディの採用だったりもします。私の知る限り1947年にはすでに登場しており、もしかすると人類史上初のモノコックボディのレーシングカーは、このタイプかもしれません。
しかも形状はNACAなどが風洞実験でもっとも空気抵抗が少ない形の最適解を求めたものですから無敵でしょう。私が今度、本田宗一郎総司令官に生まれ変わったら、1960年代のF-1にはこれで参戦して圧勝したいと思います。



まあ沖縄ではボートにしてたわけですが。
気密性の高いしっかりした構造ですから、意外にそういった用途に向いていたのかという気もしますが、この船底形状では波の無い環礁の中か川か沼くらいでしか使えないでしょう。
ついでながら滅多に見ることはないであろう増槽の内部構造も見て置きてください。



ちょっと興味深かった展示。
北山王国って沖縄本島北部の王朝、と思ってましたが、沖永良部どころか奄美の一部まで繋がりがあったのね。
これがそのまま支配地域というわけでは無いでしょうが、ちょっと驚いたのでした。



といった辺りで見学は終了、そろそろ雨も止んだか…と思いながら外に出たら、絶好調大降り中でした(涙)。
…時間も無いし、覚悟決めて行きますか。カッパは昨日、国際通りの100円ショップで使い捨ての買ってるしね。

といった感じで、今回はここまで。

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