お次は沖縄名物、前回も感涙にむせいだファーストフード、A&Wの牧港店に連れて行っていただく。

沖縄のA&Wはアメリカ統治時代の面影を残す店がいくつか残ってるのですが、その一つがここ、牧港店なのでした。
ちなみに沖縄のA&Wは1963年に一号店が出来てるので、これは1971年に銀座にマクドナルドの一号店ができるより圧倒的に先なのです。沖縄の日本返還が1972年5月ですから、マクドナルドが日本のハンバーガー ファーストフードというのは間違いないのですが、現存する国内のファーストフード、という条件ならA&Wが圧勝なのでございます。A&Wばんざい、A&Wよ永久に!

で、そういった旧店舗の何がすごいのか、というともはやアメリカ本土でも見られない(少なくとも私は見た事ない)1960年代までのアメリカンハンバーガーショップの形態を21世紀の現代まで維持しちゃってるのです。

ちょっとこの写真では判りづらいですが、真ん中に店舗があり、その左右にV字形の屋根付き駐車場があります。上か見るとB2爆撃機のようなレイアウトで、そのコクピット部に店舗があるのです。



でもってその両脇の駐車場はご覧のように屋根付き。これは雨の多い沖縄だから車が傷まないように…ではなく、ここを通路として車まで店員さんが注文した品を持って来るための設備。つまりこここに車を停めて注文、商品を持ってきてもらって車内で食べる、という形になります。ゴールデンエイジのアメリカン。



でもってこれが各駐車スペースの横にある発注装置。
右側に見えてる、これ開店時からそのまんまだろ、というマイクで注文を告げると、店内からここまで持ってきてくれるのだとか。昔のアメリカ映画とかだと、ローラースケート履いたお姉ちゃんが持って来てくれたりしたわけですが、21世紀の沖縄ではパートのオバサマがよっこいしょ、と運んできてくれるそうな。
頼んでみます?と聞かれてちょっと心が動きましたが、やっぱり店内でゆっくり食べましょう、という事に。

いやしかし、映画とかでは見た事ありましたが、まさか沖縄にこんな形で現存していようとは。早いとこ重要文化財とかに指定して保護するべきではないか、とすら思う。



店内も多少はキレイになってますが、アメリカン グラフティな感じ。
日本のファミレスが(というか1971年開業の「すかいらーく」が)その店舗レイアウトの元ネタにしたのがこの時代のこういったアメリカのチェーン店レストランですが、沖縄じゃそれよりずっと先からこういったお店が展開してたわけです。やはりA&W様は偉大である、と思う。

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