スクーターでもスーパーカブのような実用車でもない、レジャーバイクと言うジャンルで発売されたモンキーシリーズ。
(ダックスも入ってるけどまあ同じ仲間という事で)
モンキーはエンジンは基本的にスーパーカブと共通の50tで、1964年から2017年まで50年に渡って販売が続いてました。ハンドルが折りたためる構造で、ワゴン車などに搭載できるのが特徴です。ホンダではスーパーカブに次ぐ息の長いモデルで、おそらく他のメーカーを含めてもスーパーカブに次ぐ長寿モデルだったと思われます。
最終的に最新の排ガス規制をクリアできず2017年に生産中止に追い込まれたようで、ちょっと寂しい気も。
初代モンキーはホンダが運営に関与していた多摩テックや鈴鹿サーキットのアトラクション用のバイクでした。園内で子供たちが乗れるミニバイクだったのですが、これを1961年のモーターショーで展示したところ意外に好評で、1963年に初代モンキーであるCZ100が発売されます。画面中央にあるやや高い位置にライトが付いたヤツで、エンジンはスーパーカブのものを、シートとタンクはスポーツカブのものを流用してました。ただしほとんどがアメリカに輸出されて終わります。
その次に発売された二代目モンキーが1967年のZ50M,、画面左側でこっちを向いてるもので、このZ50Mから日本でも本格的に発売が始まったため、これを初代モンキーとする事も多いです。意外にモデルチェンジは頻繁に行われてるのですが、基本的にこのZ50Mのイメージを崩さないまま、最後まで生産が続いてました。
その奥、横向きのオレンジの車体がモンキーから派生したゴリラ。燃料タンクとシートを大型化、ハンドルの折りたたみ機構も廃して、単独での街乗りを前提とした車体でした。1978年に発売となり、こちらは2007年の段階で排ガス規制をクリアできなくなって生産終了しています。
1977年に発売となったR&P。
エンジンはシリンダーが水平でない事から判るようにスーパーカブとは別物で、ちょっと高級なスポーツ用50tバイクとして売られていたCB50のものを流用しています(元々はベンリーという実用車から分離したのがCBシリーズ。90tもあった)。
この車両は私は初めて知りました。真っ白でホンダのロゴすら入ってないのは購入後、好きにやって頂戴、という事らしいですが、イマイチ受けなかったようです。実際、私はここで見るまでその存在しすら知りませんでしたし…
1982年に発売となった一部で大人気のモトラ。
エンジンはスーパーカブとほぼ共通ながら、通常の三速ロータリーギアに加えて高速、低速の二段階の副変速機(通常の変則機にさらにギアを追加してよりテコの原理の効果を上げる)が付き、50tながら23度もの強烈な登坂能力を持ちました。50tに副変速機まで付けちゃったのって、未だにこれだけじゃないでしょうか。
そしてホンダではお馴染みの“販売中は全然売れなかったのに生産中止後プレミア価格になった”車両の一つで、未だに人気が高いです。20年ほど前、友人が乗っていたのですが、ここしばらく会って無いので、未だに持ってるのか、ちょっと気になるところ。
ちなみに他に例を見ない、独特なデザインと言われたりもしますが、元ネタはアメリカのロコン(ROKON)社のオフロード用バイク、レンジャーシリーズでしょう。
ついでに日本のアニメの土台を造ったお一人であるアニメーターの大塚康生さんの愛車としても有名です。大塚さんが1996年に自費出版した同人誌「大塚康生のおもちゃ箱」によると10年以上通勤に使って4台を乗り継いだ、との事(それぞれMk.I〜IVと命名、外装を改造しまくってる)。余談ですが、大塚さんは当時、ホンダの頭脳がある和光市在住でした。
|