■リゾートホテルの本
とういうワケで今回はリゾートホテルの深淵に迫る、がテーマだよペロ君。
「まあ、いいんじゃないスかねー。誰に迷惑かけるわけでもなしー」
早速の絶賛、協賛感謝だ。
とりあえず本日のお話はこれだ。
「…椅子とテーブルですな」
いや、問題はその奥、本棚だ。
ここはこのホテルの読書コーナーなんだよ。
ちなみに先に見たロビーの2階回廊部にあった。
「さすがはリゾートホテル、至れり尽くせりじゃん」
だよな。で、その本の品ぞろえはこんな感じだ。
「……え?」
私も随分長く生きて来たが、漱石の「吾輩は猫である」と「ヤクザの実戦心理術」が
すぐ横に並んでる本棚は初めて見たよ。
「なんで?」
さあ、なあ。
多分職員の人が適当に家から要らない本とか持ってきちゃったんじゃないだろうか。
吾輩、は漱石作品の中でも最も難解でつまらないからな。
「難解?ギャグ小説じゃないの」
まあ、漱石流の諧謔なんだけど、時事ネタ、さらには掲載誌である「ホトトギス」読者にしか判らないネタ、
それに加えて彼の友人知人にしか通じないような内輪ネタが多すぎて、
21世紀の人間が何の予備知識も無く読んでも、おそらくワケが判らんだろう。
もしこんなリゾートホテルでこの本を読んでる人間が居たら、
そいつは間違いなく変人か変態か漱石マニアだ。
ちなみに漱石作品は、実は読んだこと無い連中の勘違いがはなはだしい、という変な特徴があるんだよ。
吾輩だけではなく「坊ちゃん」なんて某県の中学生の必読書に入ってたけど、
あれ、最後は赤線に通ってる赤シャツを現行犯でとっちめる、という話だぞ。
判ってやってるなら、スゴイなと思ったよ。
「さいですか」
それ以外にも統一性のないラインナップで、画面左からは奥はほとんどが推理小説だった。
大型ホテルで人、死にまくりだ。これは罠かもしれん、と思ったよ。
まあ、これだけ大規模な施設なら密室殺人とかやり放題だろうしなあ。
「誘ってる?」
宿泊者の中に蝶ネクタイにメガネの小学生が居ないか、ちょっと不安になったのは事実だね。
といった感じで、今回はここまでだ。
「さいですか」
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