■風葬の国
中にあった玉陵の内部模型。
東室(手前)、西室(一番奥)が遺骨の埋葬所で、
真ん中の中室は風葬、自然腐敗で白骨になるまで遺体が置かれた場所となっています。
(後で見るように14年も白骨化を待ってここに安置された)
その中室の遺体安置所の前には例の石壁、ヒンプンがあり、
やはりこれは宗教的なものなんでしょう。
ここには沖縄のお墓に関する展示がいくつかあり、かなり興味深いものでした。
これは相当な身分の人のものだと思われる宮殿を模した骨壺。
火葬でもなく、棺桶による土葬でもない埋葬文化を見るのは初めてで、ちょっと興味深ったです。
ただし、一般民衆の埋葬はこんな立派なものでは無く、沖縄に多い天然の洞窟などを利用した野ざらしで、
おそらく骨壺なども無い、遺体を置いてそのままの集団埋葬だったと思われます。
(この辺りは次回訪問の今帰仁の博物館でいろいろ見ることに)
例の沖縄の神聖な場所、グスクの名を持つ洞窟があるのはこのためでしょう。
こちらも立派な骨壺。
シャチホコは標準装備のようです。
ちょっと驚いたのがこれ。
江戸期のものと推測されるそうですが、円形で在あり、周囲には仏像(地蔵かも)が見られます。
日本の骨壺の影響を受けてると思われるのです。
沖縄には仏教が本格的に入り込んだ事は無く、
政治は最後まで仏教にかかわりを持ちませんでした。
(江戸期にわずかに入り込んでるが、主なものは明治期以降)
死後の世界も儒教と例の先祖崇拝が主流だったはずで、
埋葬に仏教が関わってるのは初めて見ました。
あるいは一定の身分以上の人は仏教的な葬式もやってたんでしょうかね。
この辺りは謎としておきます(手抜き)。
さて、博物館を出ると木漏れ日の通路が続きます。
ああ、いい感じ。
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