■天竺の動物軍団
その1
さて、デリー周辺は驚くべき動物の街だった。
「どういう意味?」
野生動物から家畜まで、この一帯は他の国では見られない充実ぶりなんだ。
写真は撮れなかったが、大統領官邸の横で野生のサルがエサ探してるんだぜ。
「すげえな」
そんなデリー&ア-グラ周辺で見かけた動物を紹介して置こう。
今回はその1だ。
まずはジャーマー マスジドの裏で見た猛禽類。
トンビの一種じゃないかと思うが詳細は不明。
トンビらしき鳥はあちこちで飛んでいたから、この辺りでは普通に見かける鳥なんだろう。
「えらく近くから撮影してるね。逃げないんだ」
いや、逃げれないんだ。この子、左の羽をケガしていて、おそらくもう飛べないだろう。
「あれま、気の毒に」
が、近づいても全然逃げないし、周囲の人も気にしてない。
どうも人からエサをもらって元気に暮らしてるらしい。
インドの場合、ヒンズー教の皆さんは生き物を殺さない、というだけでなく
餌付けなどの世話をしてあげてるみたいなんだよ。
「へー」
でも、見てる限りでは特に動物好きという訳ではなく、純粋に宗教的な動機らしい感じだったけどね。
「へー」
でもってレッドフォートの前に居たヤギの親子。
これは家畜というかペットといか、とりあえず野良ではなく、飼い主らしき人が居た。
「レッドフォートの前って…」
日本で言えば皇居の正面みたいな都市の中心部だ。
「すげえな」
ちなみにエサをあんまりもらって無いのか、放任主義なのか、駐車場横の草を勝手に食べてた。
私なんかは大興奮で写真を撮っていたが、現地の人は全く気にしておらず、ごく普通の存在らしい。
「へー」
でもって、この街もアジアの都会らしく野良犬天国だった。
「おお」
子犬も多くて大変かわいいし、あまりいじめる人も居ないようで、どの子も人懐っこいぞ。
ただし、狂犬病だけは要注意だろう。
ちなみにレッドフォートの中とか、ショッピングセンターの中庭とか、
どこから入って来たの、という場所にまで居た。
「すばらしいね」
でもって、先にも書いたが、ノラ猫は全く見かけず。
野良犬がこれだけ居ると生存競争に勝てないのかなあ。
「まあ、我らが犬族は優秀だからね」
それはともかく、猫だらけの日本は世界的に見ると異常なんだなあ、と改めて思ったよ。
かなり大型のインコ。
最近では日本でも繁殖してるけど、インドではこれが団体であちこちで飛んでた。
「キレイだね」
なかなか見事だった。このツガイはあの穴の中に巣があるみたいだ。
エサを運んでるようにも見えたので、子供がいたのかもしれぬ。
ii
でもってこれもあらゆる場所で見たリス。
アメリカの都市圏なみにあちこちに居た。
ちなみに背中にシマ模様がある小さいリスだったが
インド ヤシリス(Indian
palm
squirrel)という種で、シマリスとは別系統らしい。
「縞がありゃシマリスじゃないの」
まあシマリスというのは日本語であり、
シマリスの本場、英語圏ではチップムンクで縞には触れてないから、
日本語の命名ミスみたいなところがあるんだろう。
ちなみに私は知らなかったけど、ヤシリスという種は意外に世界中に居るらしい。
ついでにこんだけ暑い地帯のリスなので冬眠の習性がない珍しいリスだとか。
「へー」
ついでにヒンズー教徒は牛を神聖視することで有名だが、
このヤシリスもラマ神に選ばれた動物という伝説があるそうで、ちょっとした神の使いとして
神聖視する傾向があるんだそうな。
あちこちで見たのは、そのせいかもしれない。
「リスがねえ…」
リスがだ。
ちなみに餌付けも簡単らしく、観光地でこれにエサをやってるインド人が居て、
お前もやってみろ、とパンくずとかを渡そうとすることがある。
が、これは親切心ではなく、やった後にお金を要求されるから要注意だ。
「微妙に世知辛いね…」
とういった感じで、とりあえずインドの動物編は次回に続くぞ。
「続くんだ…」
BACK