■北海道は星の数

さて、ペロ君、札幌は観光に関して極めて自分に厳しい土地だった。

「いきなりなんの話?」

彼らは自分たちの観光資源を冷静に評価して、来訪者の参考に供してるんだ。

「何言ってるの?」

見れば分かる、まずはこれだ。



豊平館の上に燦然と輝く星一つ!

「星一つって評価はどうなのよ」

無いよりはましだが、究極的にはまだまだ、という事だ。
観光名所ではあるが、見なければ死ぬ、というレベルではない、という意味だろう。

「さいですか」



お次は札幌時計台。

「星二つと」

うむ、さすがは札幌を代表する観光地、星は二つだ。
が、これほどの観光資産に星三つを与えぬ札幌市の謙虚さを褒めるべきだろう。
見事である。

「さいですか」



そして旧道庁庁舎も星一つ!
見るべき価値を認めながらも、知事室の地球儀と木彫りの熊に疑問を感じた結果だろう。

「さいですか」

さいである。

「………」

……………

「…で、ホントのところは?」

星はね、北海道開拓使のシンボルマークで五稜星と呼ばれるモノなんじゃよ。
白地に赤が正式なものとなる
明治5年(1872年)に制定され、明治15年(1882年)に開拓使が廃止になるまでの10年以上使われたもので、
それ以降も札幌の街のシンボルとして使われたのじゃ。
ちなみにサッポロビールが星マークなのは、あれは元官営の開拓使麦酒醸造所だったからじゃ。

「白地に赤星って、それってソ連の国章じゃん」

いや、あっちは1917年以降じゃからな、札幌の方が早いのだ。
きっとスターリンが北海道マニアでパクったんだろう。
ついでにこれ、北極星をシンボル化した、と説明される事が多いが、
五稜郭にもなんか関係があったんじゃないか、という気はするのう。
デザインした蛯子末次郎は函館の人じゃしな。

「…でもなんで時計台だけ星二つ?」

実はそれは謎なのじゃ。デザイン優先で、カッコいいから二つ付けた説に
500円だけ賭けて置こう。

「説得力ないなあ」

という感じで、今回はここまでじゃ。


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