■脂肪探知機

というわけで、今回はアメリカ空軍が開発した最新の非接触式の脂肪探知機の話だ。

「…脂肪探知機?」



それがこれだ!

「はあ、さいですか」

既に書いたように大統領専用機の中はえらく狭いので、デブは入れない。
というか入れてしまって、途中でこれが引っかかってしまったら取り出す術はない。
デブの救助のため歴史的な機体を輪切りするためにもいかんから、
あらかじめ入り口にこれを置いて、それらが侵入できないようにしてるのさ。
アメリカの場合、わが目を疑うような臨界おデブさんが日常的に存在するからね。

「どういう仕組みで探知するのさ?」

まず、このゲートの前に立つんだ。

「はあ」

でもって、これを通過して向こう側に出てもらう。

「はあ」

が、デブはこのゲートに引っかかって向こう側に出れない。
以上だ。

「…ケンカ売ってる?」

いや、極めて単純ながら効果的な検知器であり、アメリカ空軍見事なり、というべきだろう。
少なくとも私が知る範囲内で、実用段階に達してる世界で唯一の非接触式デブ…いや、体脂肪探知機だ。

「…さいですか」




が、予算の都合もあってか、同一形式のモノが全ての機体に設置されてしまってる。
このため、やや中が広い707でも全てのデブが自動的に弾かれてしまうようになっていた。
この辺りはちょっと気の毒でもあるが、この幅、私が通っても左右に5p以上の余裕があったから、
その程度には痩せてこい、という事なのかもしれぬ。

「さいですか」

という感じで、今回はここまでだ。

「さいですか」


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