■空飛ぶルーズベルト
さて、最後はルーズベルト大統領が利用したダグラスVC-54C スケアド カウ。
C-54はDC-4の軍用版ですが、この機体は民生用のDC-4からの改造なのかよく判らず。
とりあえず最初に配備された大統領専用機で、大戦中の1944年から死去するまでルーズベルトが使用、
その後は先に見たインディペンデンスの登場までトルーマンが使ってました。
最後は例によって政府高官機となり、1961年に退役してます。
Scared
cow
はヒンドゥー教の神聖な牛の事ですが、アメリカの政治用語では、
政治家が手を出すべきではない事、触れてはならないもの、といった意味があるようです。
なんとなくルーズベルトっぽいネーミングではあります。
正式名称は“Flying white
house”空飛ぶホワイトハウスだったらしいのですが、
ほとんどその名で呼ばれる事は無かったそうな…。
ちなみにルーズベルトは公務で飛行機を利用した最初の大統領なのですが、
最初に搭乗したのは陸軍航空軍の機体ではなく、海軍のボーイング314クリッパー飛行艇でした。
これで1943年のカサブランカ会議に飛んでいます。
それまでは戦艦、重巡などで移動してたので、海軍がその任務を引き継いだのでしょう。
その後、陸軍がこのVC-54Cを配備して大統領専用機としたのですが、
当初はB-24の輸送機型、C-87の改造機が予定されていたそうな。
ただしこの機体、いろいろ問題があり、最終的にこのDC-4を導入したとされます。
後の1945年、ヤルタ会談の時はこの機体でルーズベルトは現地に飛んでいます。
エンジンはR-2000ですが上下に空気取り入れ口があり、上が恐らく吸気口、したがオイルクーラーでしょう。
ちなみに排気タービンは積んでないはず。
入り口。
さすがに小さいな、という感じですね。
ちなみにルーズベルト大統領はここからは乗り降りしません。理由はまた後で。
コクピット。
まあ、時代を感じますね。
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