■2017アメリカンTV
というわけで、海外旅行記お馴染み、現地の深夜番組の紹介だ。
「さいですか」
まあ、今回は小粒なんだけどね。
「あれま」
最初はこれ。
「アメフトの選手が豚に乗ってる?」
いや、アメリカ人デカい上にプロテクター付けてるから判りにくいが下のは牛だ。
これ、ロデオなんだよ。
暴れる牛にどれだけ乗ってられるか、という、いわゆる牛乗り(Bull
riding)だろう。
「カウボーイが乗るんじゃないんだ」
私も初めて知ったんだけど、アメリカじゃ牛乗りロデオはプロスポーツで、
どうもシリーズチャンピオンまで居る人気競技らしいんだ。
スポーツとしてのロデオはこういったスタイルになるらしい。
「牛大迷惑じゃん」
まあなあ。牛も迷惑だし、人も危険だから何が楽しいのかよく判らんが、
アメリカ人から見たら、日本の相撲なんてぽっちゃり型のおっさんが裸で抱き合ってる
わけわからん格闘技だろうから、まあ、お互い様なんだろうな。
お次はこれ。
「コンサート…いや巨大な会議?」
これ、教会の説教なんだよ。
「教会?」
アメリカの新興宗教で、当然、キリスト教の亜流だ。
あちらはそういった宗教組織が金出して番組造って放送してるんだけど、
なんか学会の中継か、どこかの国際会議みたいで、異様な雰囲気だった。
昔からTV宣教師とかはいたんだけど、ここまで来たか、と思ったよ。
まあ、言ってる事は穏当で、これなら近所の教会に行けば十分なんじゃないか、
わざわさ新しい宗教始める必要ないのでは、とも思ったが。
「さいですか」
「ライオンとオッサンの漫才コンビ?」
まあ、それに近いんだけど、これも宗教番組。
この時代の終わり、ハルマゲドンへの第一歩という話だね。
すなわち恐怖心と焦燥感で相手を揺さぶって
自らの宗教の救いを強調する、という清く正しい新興宗教だった。
日本じゃ平安時代から使い古された手だけど、アメリカではまだ現役なのさ。
「なんでライオン?」
黙示録に出て来る獣666号だろう。
悪魔の数字と言われる666だけど、単に黙示録に出て来る反キリスト教の獣、その名前が666なんだ。
厳密にはこれは謎かけなんだけど、ここではそこまでは触れない。
で、その獣の姿が脚は熊のようで、口はライオンのようだった、とされてるのさ。
よく見ると、画面の右にCGの熊も居るんだよ。…熊の写真、手に入らなかったんかいな。
「判りやすいね」
まあね。でも本来、この獣666号はハルマゲドンには関係ないよ。
この人は両者を勝手につながりある話にしてしまってたけど、
「そもそもハルマゲドンて何?」
知らん。
黙示録の中で神さんが、反キリスト教の王たちをそこに呼び出す地名なんだけど、
呼び出すだけ呼び出して、その後どうなったかは何の説明もないんだ。
「なんだそりゃ」
そもそもヨハネの黙示録は一種の暗号というか暗喩と比喩のカタマリで、
当時の文化、国家、そいてセム語の知識がないとわけが判らない内容なんだ。
当然、私にもワケがわからんから、説明のしようがないのさ。
当然、この人も判って無いんだろうなあ、というお話だった。
少なくともキリスト教の受難と救いの話なんだから、
脇役で出て来るだけのライオンと熊は別にどうでもいいんじゃないの、と思うわけだ。
「さいですか」
というわけで今回はここまでだ。
「さいですか」
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