■スピットもあるのだ
でもってここは、もう一機、これも状態のいい、スピットファイアのMk.Iを一機、持っています。
どういう産業科学なんだ、という気がしなくもないですが、ありがたい事ではあります。
後期に開発されたマルコムフードを後付けで搭載してるものの、
1939年製、おそらく開戦前後に造られた、極めて初期の機体の一つで、
バトル オブ ブリテンにも参戦していた機体でもあります
コンディションもかなり良く、ロンドンの帝国戦争博物館のMK.Iに匹敵する良い資料だと思います。
1944年に、これもどうも戦時国債の宣伝のため、シカゴに持ち込まれ、
そのままこの産業科学博物館の所有となりました。
Ju-87と違って、その後、他所には一切、貸し出されてないので、おそらくオリジナルの塗装の可能性が高いです。
もっとも、戦勝国でコレクション好きのイギリスの機体ですから、Mk.I はコンディションのいいものが多く、
先の帝国戦争博物館、さらにはロンドンの科学博物館の機体なんかも、それなりのモノで、
この機体が極めて貴重なもの、とは言えないのですが。
とりあえずUボート、世界で2機しかないJu-87、そして状態のいいスピットファイアMk.I
が一気に見れる、
という下手な軍事博物館なら、裸足で逃げ出すしかない博物館、というのが、
このシカゴの産業科学博物館なのです。すげえ、と言うべきでしょうね(笑)。
ここはそれ以外にも、いくつかの機体を持ってまして、まずはこれ。
アメリカの博物館ではおなじみの、カーチスJN-4D
ジェニー(Jenny)。
第一次大戦時に開発された軍用機だったのですが、戦後、これが大量に民間に放出され、
アメリカの航空界を大きく進展させる原動力となった機体でもあります。
展示の機体は、その民間時代の状態、
機首の横に人が立ってる、アクロバット展示飛行の様子を再現してます。
こちらは1927年から民間航空機としての運用が始まったボーイングの40B-2。
シカゴからサンフランシスコまでという、当時としてはかなりの長距離を飛んでた機体だそうな。
(直通は無理なので、途中で何度か着陸したハズ)
郵便と乗客、両方を運搬する航路だった、との事で郵便機でもあるようです。
これも2機しか現存してないらしいのですが、済みません、私はこの機体をよく知りませぬ。
人類初の“空気よりも重い動力付き機体として飛行した”
ライトフライヤー I
もありましたが、当然、レプリカ。
意外に出来は良かったですが、
いやあ、私、オリジナルをスミソニアンで見てるんでね、フフフ…(イヤなヤツ)
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