■木材だらけ
こんな感じで妙にデラックス木造なのです。
ついでに、この辺りのドアは普通の水密ドアで、前後の魚雷室と、艦中央の指令室周辺だけが、
例の丸くて高い水圧に耐えら得るドアになってました。
その士官室の横にあるのが、音響室。
水中聴音機で捉えた水中音をここで聞き取るわけです。
q単位の長波で無いと通過できない水中でレーダーは使えませんから、
水中では音でしか敵の情報を掴めません。
極めて重要な装置、と言えます。
ちなみにU-505は最新式の聴音機を搭載したUボートの一つだったそうで、
この点は鹵獲調査で得られた大きな成果の一つとなってます。
前回紹介したこの写真の一番下、なんだか宇宙船の艦橋のように見えてるのが
その新型聴音機の聴音装置。
ついでに従来の聴音装置は、前部翼の付け根周辺にあります。
その横にあるのが無線室。
やりとりは暗号ですから、ここに有名な暗号装置のエニグマがありました。
ちなみにエニグマは各艦で2台ずつ積んでいたはず。
といっても、とっくの昔に連合軍はこれを解読してましたから、
機械そのものはそれほど貴重ではなく、暗号コード表などがここで見つかったのが重用だったのです。
暗号を解読した上で、その数字やアルファベットが意味する地名、日時などを指示するコード表と突き合わせないと、
意味が通じないのが普通でした。
さらにちなみに連合軍も常にドイツの動きを把握していたわけではなく、
1943年の一時期、ドイツ海軍が暗号コード表を変更したらしく、ほとんど情報が得られなくなった時期が存在します。
この辺りは対日戦でも同じで、1942年ごろまでにほぼ暗号の解読を達成していながら、
暗号コード表の更新で、一時的に日本海軍の暗号がほとんど解読できなくなった時期がありました。
さらにちなみに受信は例の超長波でしたが、こちららの発信はもっと波長の短い高周波を使っており、
後に連合軍はこの電波を捕らえる事で、Uボートの存在、そしてその位置(観測点からの方位)を
特定して、大きな成果を上げる事になります。
(一定距離を開けて、二か所で観測すれば相手の位置は特定できる。
あるいは近距離なら、ひたすらその方向に向えばいい)
で、その先がいよいよ指令室、となります。
ここでいきなりガイドのアンちゃんが電気を消してしまったので、
LX-100でもギリギリの明るさに。
…ホントに余計なガイドとか要らないから、好きに見学させてよ…
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