■人類の願いについての一考察
さて、おそらくあと2回で終わらせられると思われるこの連載、
最後のおまけコーナーは前後編だ。
「さいですか。で、ネタは何?」
それはこちら。
「いや、これだけじゃ何だかさっぱりわからんよ」
絵馬なんだよ、これ。
新たに書き込む場所は見つけられたなかったので、なんらかのイベントとかで
書いてもらったものを展示していたのだと思うけど。
「絵馬って台湾にもあるの」
いや、少なくとも、ここ以外では見た事ないから、これも日本式文化の模倣の一つじゃないかなあ。
が、とりあえず注目は、絵馬に書かれた願望たちだ。
人間の欲望はどの国でも変わらないものだなあ、と軽く感動したよ。
まずこの辺りは正しい姿の絵馬たち。
正面のは正規教員の試験に合格しますように、というもの、
右側のは身体健康やら、家内安全、といった内容。
「台湾でも、この手の絵馬ってのは日本と同じようなお願いを書くんだね」
…と思うだろ?
「そりゃ実際、そう書いてあるじゃん」
ところがこの辺りは、あくまで前フリ、敵との距離を測るためのジャブに過ぎんのだ。
「はい?」
例えばこちら。
“私は偉大な王室直属魔法使いになる必要があるんです”
と女性的な字で書かれていらっしゃる。
「…はい?」
魔法使いにならないといけない事情があるらしい。
ゆえに、ここで願掛けしたみたい。
「どういった状況にある人でいらっしゃる?」
それがさっぱりわからん。
ちなみに名前はサクラツキ ハルさんだ。微妙に無国籍な感じ?
とはいえ普通に考えるとネットゲームかなんかの話だと思うが、
そうでなかった場合は…
「場合は?」
この世界は我々が考えているのより、もうちょっと複雑なのかもしれないな。
お次はこれ。
なんとなくわかると思うが、こちらは
“胸のCUPサイズを上げねばならんのです”
との事だ。
「それはお願いというより、己の願望報告では?」
まあなあ。
この手のものは、日本人の感覚だと、
〜をお願いします、我的願望、I
hope といった文章になる気がするんだが、
台湾の人は、〜の必要があるのだ、我要、つまり I need
という要求文なんだよね。
だから神様お願い、というより、神様、オレの要求は以下の通りだ、という
どうにも脅迫めいたニュアンスになってるんだ。
ここら辺りは文化の差かなあ。
ちなみにこちらは日本語の絵馬だが、名前を見ると地元の人だと思われる。
「なかなか深いね」
いろいろ深いんだよ。よって、このネタは次回、もう一回、取り上げるぞ。
とりあえず、今回はここまでだ。
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