■台湾映画の誘惑
さて、ペロ君は台湾映画をどのくらい知ってる?
「いや、犬にどんな知識を要求してるんだよ。知るわけないよ」
だよな。実は私もよく知らなかった。
でも無知は罪だと今回痛感したのだよ。
だって、そこはステキパラダイスだったのだから。
「言ってる意味がわかりません」
うむ。だが、見れば一発でわかるよ。
ほら。
「……」
……ね?
「…ね、じゃねえよ。なんの映画だよ、これ」
さっぱりわからん。1961年の作品で、タイトルは「大きな鹿の子」といったところかなあ。
先にも書いたように梅花鹿は台湾の鹿の名前だ。
「おとぎ話というよりはナイトメア、って感じですが」
そこら辺りは価値観の違いだろう。
タイトルの上の宣伝文句は野生の動物たちが台湾語で繰り広げる童話、となっている。
古い台湾映画で中国語の字幕が入ってるのは、この地元の大多数の人用の台湾語の映画を
本土から来た少数の国民党関係者用に北京語の字幕を付けてるかららしい。
最近のはどうなってるのかよく知らんけど。
でもよく見ると、左側のあおり文句は、鹿のお姉さんの痴情、鹿の敵討ち、
化け狐は狼を呼び、吸血狼大暴れ、とあるが。
「…もはや映画の内容が全く想像がつきませぬ」
まあなあ。狐狸精ってのは化けギツネの事だけど、男をたぶらかす魔性の女、
といった意味もあるので、ひょっとしてそういった映画か?
とも思うんだが、基本的にはどうもよくわからんな。
「まあ、わからなくていいと思うよ」
ちなみに台湾ではDVDが出てるらしいので、興味のある人は探してみてね。
ついでにこのポスターは例の陳子福先生の作品だ。
その印刷過程で七つも版を使ってるとか、技術的に詳細な解説がついてるのだが、
正直言って、そんなのどうでもいいや、というインパクトで押しまくられる感じだった。
「だろうね」
こちらも陳子福先生のポスターだ。
「ゼロ戦が飛んでる?」
まあ、雷電では無いな。
「この三白眼の女性がヒロインなの?」
タイトルを見るとわかるように、盲目の女性なんだよ、この主人公。
「それが剣でゼロ戦と戦うの?」
細かいところはよくわからんが、なんか1960年代に、この盲目の女性が主人公の
アクション映画が何本か台湾では造られたらしい。これはその三作目。
「妙な設定の主人公だねえ」
007シリーズの影響を受けたアクション映画、とされてたけど、これ座頭市じゃないかなあ。
ただポスターの雰囲気からすると、微妙にお色気系の気もするが…。
タイトルは一切なかったが、とても見たいと思った一本。
「ゴジラ対キングコング?」
では無い気がするが、詳細はわからん。
されに魅力的なのがこれ。
「いい味出してるね」
だろ。情報が全くないのだが、台湾と香港の合作映画で、
大空怪物とか、気勢沸騰とか、まあトキメキが止まらん感じだ。
「左上の消防隊の人、銃を暴発させてない?」
いや、これが主人公の宇宙戦士だろう。
まあ、安全装置かけ忘れちゃったのかな。
それでも表情を見る限り冷静なようなので安心だ。
といった感じでめくるめく台湾映画の片鱗を感じた所で、今回はここまでだ。
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