■ルガーも結構好きらしい
こちはらドイツ軍の正式拳銃として有名なルガーのパラベラム弾ピストル P08。
(ただし第二次大戦直前の1938年に後継のワルサーP38が採用になるのだが、
こちらの生産が遅れたため、大戦中もほぼ最後まで使われていたらしい)
これはライセンス生産はしてないようですが、いくつか実物の展示があったんで、
それなりに使っていた可能性があります。
ちなみにこの銃から使われ出したのが9o口径の標準形式の弾、
いわゆる9o パラベラム弾ですが、これはラテン語でして、
準備を意味する接頭語のParaに戦争のbellumが加わって、Parabellum、
戦争に備えよ、といった非常に物騒な意味になります。
変な名だな、と思ってたんですが、今回調べてみたら、ルガーピストルの生産をやってた
ドイツの兵器企業、DWMの社訓で、ラテン語(つまり古代ローマ)のことわざ、
Si
vis pacem,
parabellum 平和を望むなら戦争に備えよ、
の後半部分から名前を取ったものだと知りました。
…前半から取る、ってのはなぜしなかったんでしょうね。
こちらは200oの長銃身のランゲ ピストレ 08(Lange Pistole
08)、
アーティラリー(砲兵)ルガーとも呼ばれる型。
砲兵隊の兵に護身用に配備されたものらしいですが、
通常のマガジンだけでなく、32発入りのドラムマガジンも使えたそうな。
つまりちょっとしたサブマシンガン代わりの武装だったと思われます。
このピストルをカービンや機関銃代わりにする、って発想、
マウザーもそうですが、好きですね、ドイツ人。
第二次大戦中に使われた、超安価なピストル、リベレーター。
ちなみにFP-45が正式名です。
直訳すると解放者ですが、アメリカが各地の反ナチ、反日レジスタンスにばら撒いたものです。
戦争中、1942年のわずか3カ月程度の期間に100万丁は造られたと見られてますが、
これの製造を行ったのは、例によって(笑)アメリカの自動車産業でして、
GMの照明器具部門がこれを請け負ってました。
ちなみに鉄板をプレス加工で造ったというスゴイ銃で、製造コストは1個平均で2ドル前後とされます。
この時代、ビン入りコーラが一本5セントですから、コーラ20本分と考えると、
2500円くらいでこのピストルは造られていた事になります…。
もっとも性能もヒドイもので、.45口径の弾を使いながら、有効射程距離は8m以下(笑)、
確実に命中させるなら4m前後とされ、忍者の手裏剣の方がよほど強力だったと思われます…
珍しいものがありました。
イギリスが大戦中に開発した消音機一体型の
.32口径サイレントピストルです。
例によって適当以下の解説しかこの博物館にはありませんが(笑)、
ウェルロド(Welrod)とういう名前で呼ばれてた、非正規活動、レジタンス用のピストルです。
3000丁以下しか製造されてないはずで、それなりに貴重なものと言っていいでしょう。
そういや、なぜかアメリカ空軍博物館で展示されてましたが…
ちなみにアメリカ軍の情報組織、OSSでも使っていたようです。
ついでに戦後もイギリスの特殊部隊で使用され、フォークランド紛争、さらには砂漠の嵐作戦にまで
持ち込まれた、という話があるんですが、ホンマかいな…。
こちらはイタリアで1900年に造られ催涙弾を撃つピストルだとか。
詳細はよくわかりませぬが、珍しいものだとは思います。
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