■1958 台湾海峡の戦い
なぜか縮尺がバラバラな模型で展示されてた、1958年ごろの台湾空軍の機体。
右端の1/32がF-86Fセイバーで、注目はサイドワインダーミサイルを積んでる所。
この点は後述。
ちなみにセイバーは中国語で軍刀式戦闘機、だそうな。
真ん中のは1/48のF-84Gサンダージェットで、
当時、すでに時代遅れになりつつあったこの機体も台湾空軍に供与されていました。
左端は縮尺不明(1/72?)のC-47輸送機。
この機体だけ、第二次大戦時代世代のものですね。
本土から遠く離れた金門島へは海上輸送が主だったのですが、
空港もあったので、航空輸送もやってたのでしょう。
で、こちらはそのセイバーが積んでいたAIM-9サイドワインダー。
B型の模擬弾とされてましたが、やけによくできてるので、
弾頭の炸薬とロケットを抜いた本物じゃないかという気も。
1958年夏の金門島砲撃戦の際に、F-86Fに積まれ世界で初めて実戦投入されました。
9月の空戦では、MIG-17相手に初めての撃墜を記録してます。
なので赤外線誘導の空対空ミサイル、そして自律誘導型の空対空ミサイルで
世界初の戦果を上げたのは台湾空軍だったりします。
ちなみにこの時、サイドワインダーを台湾に持ち込み、F-86Fの改造までやったのは、
アメリカ空軍ではなく、海兵隊の兵站部隊でした。まあ、そもそもは海軍の開発ですからね。
ただし、この空戦でさっそく不発弾が出て(笑)、
そのうち一発は中国のミグのケツに刺さったまま持ち去られ、
後にソ連の手に渡って、これをコピーされる、というオチが付きました…
これがいわゆるアトールミサイル(NATO呼称)になるわけです。
アメリカの秘密兵器がいきなり敵に持ち去られてしまってわけで、
微妙に間抜けな話のような気も…。
という感じで二階の見学は終了、最後の三階に向かいましょうか。
階段の途中にはF-84でMIG-17を撃墜してる判りやすい構図の絵がありましたが、
普通に考えると、F-86Fでも苦戦してた相手であり、それは相当厳しいと思いますが…。
三階に上がって最初の展示がこれ。台湾軍の歴代参謀総長の写真付きリスト。
左には歴代国防大臣(中国語だと国防部長)の写真もありますから、
アメリカ空軍博物館の展示を、そのまんま真似したものでしょう。
お次はこちら。
整軍経武という中国語の意味はよく判らんのですが、
英語だと兵器開発と未来への備え、となってたので、
台湾軍の兵器開発の紹介だと思っていいようです。
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