■台湾のお札についての一考察

さて、今回は台湾のお札の話だ。

「またお金の話?」

まあ、そうなんだけど、例の深夜放送とはちょっと方向が違う。
台湾の高額紙幣って絵柄が変ってるんだよ、という話。
とりあえず500元札の表から。



「え?野球チーム?」

しかもこれ、少年野球チームだ。さらに言えば、厳密にはどこの誰かも一切記述が無い。
台湾人の解説を見ても諸説入り乱れてる状況だ。

「名も無き少年野球チームがお札なの?」

なのだよねえ。
私がこれまで訪問したあらゆる国で、お札の絵柄は人物だった。
政治家だったり、歴史上の人物だったり、詐欺師のような人間のクズ、野口英世だったりするが、
それでも特定の人物以外がお札の絵柄になってるのは初めて見た。

「なんで少年野球?」

台湾ではこれが盛んで、かつてリトルリーグで世界一を取ってから、
野球が一気に国民的スポーツになったから、といった辺りが理由らしい。
ただしこの絵柄の子たちは、その時のナインでも何でもない、無名に近い選手たちらしいんだ。

「なんで?」

それがさっぱりわからん。

「あれか、特定の個人崇拝を避けたのか」

ところがどっこい、そうではない。



100元札の絵柄はバッチリ孫文先生だ。

「え?100元?」

そう、孫文先生、少年野球チーム以下の扱いだ。

「ある意味で、すごいな」

ついでに言うなら、私は見なかったけど200元札というのもあって、こちらは蒋介石先生だ。

「蔣先生も少年野球以下なんだ…」

ある意味、立派な選択ともいえるけど、どうもよくわからん、という部分も多いな、この辺り。
ちなみに裏面はこんな感じ。まずは五百元札。



「鹿?」

これも一切解説がないのだけど、おそらく日本鹿の一種である台湾鹿だろうね。
現地では台湾梅花鹿、と呼ぶらしいけど。



でもって、こちらが100元札の裏。中山樓という一種の迎賓館、国賓の応対をする建物らしい。

「迎賓館も野生の鹿以下なんだ」

以下なんだね。
この辺り、個人的には、いい感じだなあ、とも思ったよ。
中国なんかも、お札はみんなジャイアントパンダとレッサーパンダにしてしまえばいいのに。
そうなったら私なら持ってる円の半分以上をつぎ込んで元の通貨を買うぞ。

「さいですか」

アメリカなら全部アポロ宇宙船とかね。

「見分けがつかねえよ」

そこはガッツでカバーだ。
といった辺りで、今回はここまで。


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