■そして敗退へ



これは戦略的撤退である、と三回繰り返し唱え自分をダマしてから、タクシーを拾う。
紙に漢字で徳陽艦と書いて見せたら、一発で理解していただく。
上海の時もそうでしたが、中華圏の旅に紙とボールペンは必須ですね。

ちなみに車内にかかっていたラジオは、日本語と北京語を混在させて話すアナウンサーの番組、
しかも日本の演歌をガンガン流す、というスゴイ内容でした。
だからといって台湾、日本語はそれほど通じるわけではないんだよなあ、とこの辺りは微妙なところ。



…あっさり到着。
10分もかかりませんでした。今までオレは何をしていたのだろう、と思わなくもなく。
ちなみにタクシー代は165元、約500円でした。
バス代に比べると十倍近いのですが、それでも十分、安いですね。
最初から使えよ、自分…。



台南市の西の外れには例のヤング媽祖様の名前をとった林黙娘公園があり、
その南側の護岸に置かれているのが、この船、徳陽艦です。

くわしくは次回に解説しますが、この角度から見る限りでも、あれ、思った以上に改造されてる、
という感じでして、第二次大戦期の駆逐艦、というのとはちょっと違う雰囲気になってます。
まあ、それでもせっかく来たんだから、見学して行きましょう。



受付のお姉さんに北京語で何かを聞かれたんですが、当然、私にはわからず、
英語で聞き返したところ、台南市民か、と聞かれる。
いや、日本から来たアルヨ、というと、アイヤ―という顔で横の料金表を指さされる。
それを見ると、台南市民は無料、軍人、高齢者、20人以上の団体は40元、それ以外は全て50元、との事。
まあ180円ほどですから、格安、といっていいでしょう。

ちなみに艦のガイドや台南の観光手引き(こっちは日本語)までもらったので、
これで50元ではほとんど利益無いんじゃないの、と心配になったり。



乗艦前の注意事項とか。
ちなみに左は艦内で営業してる喫茶店の案内でしたが、今回はやってませんでした…。

右の禁止事項の看板、禁煙、走るな、物を捨てるな、ペット連れ込むな、と並んで、
下段左から二つ目は檳榔(びんろう)禁止、と台湾らしい注意書きが。
先にもちょっと説明した天然噛みタバコとでも言うべき檳榔は、
噛んだ後はあちこちに吐き捨てるので、そのための禁止だと思われます。

といった感じで、次回、ようやく徳陽艦に乗艦です。
今回の本編はここまで。

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