■士林のいろいろ
さて、今回は士林の夜市で見た様々なものを一気に紹介して置こう。
「さいですか」
まずはこれ。
「東方不敗ってすごい名前だね。お菓子?」
なにかの木の実のようでもあったがよくわからん。とりあえずお土産用のものだ。
東方不敗というと、日本では某ロボットアニメのキャラクターが有名だが、
本来は香港の新聞で1960年代末に連載され大ヒットした武侠小説、笑傲江湖の登場人物だ。
武術の達人で、主人公より強い、というスゴイ設定の敵キャラだった。
ただし日本では1990年代、中国返還前の香港映画、スウォーズマンの方で有名だろう。
これは原作小説をほとんど無視したスゴイ映画だったが、本来の主人公をすっ飛ばして、
東方不敗が大人気になるきっかけとなったものだ。
「バカボンにおけるバカボンパパみたいな人?」
その例えはどうかと思うが、まあ、近い事は近いな。
ちなみに原作は香港、台湾などで大人気になってしまったため、
ドンドンお話が長くなる、というどっかのジャンプマンガみたいな展開を見せていた。
日本語の翻訳版だと文庫でも7冊というかなりの長編だ。
「さいですか」
1960年代の大衆小説で、1990年代に映画化されて再度人気が出たとはいえ、
それが未だに商品名になったりするんだ、とちょっと驚いたわけだ。
日本で言ったら明日のジョーが未だにコマーシャルに出たりしてるのと同じかなあ。
ついでに言うなら、これは東において無敵、という意味にもなるから、
中国の東にある台湾で見ると、深読みできなくもない名前となってるよ。
夜店の途中で見た猫耳の女の子。
「可愛いね」
うむ。街中で普通に付けてたので、ちょっと驚いた。
これなら浦安の黒鼠帽なんざ一撃粉砕、ペストの予防にも役立つだろう。
「さいですか」
が、本題はそっちじゃなくて、画面左の店だ。
その名も取締役、しかも妙に締と役の字の間に距離がある。
「会社のエライ人が経営してる?」
どうかなあ。台湾の商法を知らんので断言はできんが、
中国語で取締役に会社経営者の意味は無いと思うぞ。
普通に直訳して、取り締まる役人といった意味じゃないかと。
「なんかの公的機関?」
が、覗いてみたら、普通の食堂ぽかった。要するによくわからん。
「弱いオチだな…」
こちらは牛魔王を名乗る、牛肉料理の店。牛排で牛肉のカタマリ、といった意味だが、
ここは洋食でステーキ屋さんのようだった。
「牛魔王って、西遊記の?」
じゃないかなあ。姉妹店で豚肉料理の猪八戒とかあるのかもしれん。
「Delicacyって繊細な料理?」
いや、この場合はご馳走の意味の方だろう。この英語もよく英語圏の中華料理店でよく見るけど、
お店の看板に、ご馳走って書いてあるのはどうなんだろう、といつも思うが。
もっとも、可能性としては店長が繊細なので、料理にケチつけたら身の安全が保障できません、
といった警告の意味だとも考えられなくもないか。
「ないわ、それ」
ついでに牛魔王を直球直訳でBull
demon king としてあるが、どうだろう、これ。
Lord of bull demons
とかの方が、ニュアンスとしては近い気がするが…
「いや、それもどうでもいい気がする」
まあね。
こちらは大阪焼き。
「あの円盤状で、卵が入ってるやつ?」
と思ったら、その下にはローマ字でお好み焼き、の表記が。
「…どっちなのよ?」
正解はお好み焼きでした。台湾では大阪焼きってことになってるのかね、あれ。
「完全に別物じゃん」
まあね。ちなみにいろんなモノをトッピングで乗せられるらいしんだが、
さらに原味(普通の味)、唐辛子味、海苔味、カレー味と、いろいろ選べるらしい。
「なんかすごい進化してるね」
確かにね。
60元、約200円と台湾の屋台ではそれなりのお値段だったが、結構人気だったよ。
こちらはバンコクなどでも見た、任意の(笑)日本語を提灯に描き込んだ装飾だ。
士林では電飾になっていた。
「一期一会とラーメンが並びますか」
まあラーメン、博多屋台、豚骨魂、まではなんとなく繋がるんだが、
最後のオチ、一期一会がちょっと斬新すぎる気がするな。
「ラーメン屋さんなの?」
いや、周囲を見る限り、ラーメン屋は見当たらなかった。
単なる装飾ではないかな、これ。
「それもスゴイね」
まあね。これが台北の混沌の力、というところだろうか。
という感じで、ようやく実質初日(涙)が終了だ。
次回からは台南での惨劇が待ってるぞ(涙)。
という感じで、今回はこれまで。
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