■もはや台湾名産なのだ
さて、今回は台湾におけるドラえもんの影響力についてだ。
「さいですか」
とりあえず台湾も他の東アジア圏と同じく、ドラえもんは大人気で、今でもTVで普通に放送してる。
「字幕とはマニアックな…」
いや音声も中国語で、なぜか字幕付きだったんだ。
文字は香港、台湾で使われる繁体字なので、香港、台湾共用の番組で、
広東語と標準語、両対応のためのモノかもしれない。
で、今回のお題はこちらとなる。
「どら焼き?」
そう、ドラえもんの好物だ。後ろの看板にも絵があるね。
「士林名産を名乗ってますが…」
台湾では士林がどら焼きの本場なのか、
それともよくある勝手に名乗ってる系なのかはちょっとよく判らんが、
とりあえず、ドラえもんとの関連で売り出されてるのは間違いないところだ。
「へー、大したものだね」
が、注目はその漢字だ、日本語のまま銅鑼焼、となってるだろ。
「だから、どら焼きでしょ?」
いや、それは日本語読みだよ。北京語読みではトン ルーという感じになる。
そもそもドラえもんの中国語表記は以前にも書いたが哆啦A夢だ。まるで違う。
実際、中国語ではトン ルー シャーという感じで、ドラのドの字も出てこない発音だった。
「あれじゃん、先に香港で人気が出て広東語読みとか」
いや香港の高級繁華街、銅鑼湾はタン ローという感じの発音だから、やはり違うよ。
銅鑼をドラと読むには日本語の知識がないとダメなんだ。そもそも中国語に単純な濁音は無い。
まあ、そもそもドラえもんも中国語だとドゥラエーモンという感じの発音になるんだけど。
さらについでに言うなら哆啦A夢の中にアルファベットのAが入ってるのは
オシャレではなく、日本語の「え」に近い音が中国語に無いから、
仕方なくアルファベットを持って来たんだろうね。
「えーと、つまり?」
どら焼きはドラえもんのドラとのシャレになってる、というのは理解されてないんじゃないかなあ。
台湾の場合、日本統治時代に先に銅鑼焼きが入っていて、
その後からドラえもんが入って来た、という事情があるのかもしれないが。
この辺り、日本と中国では発音が違うのに
同じ文字を使うため、妙な事態になってる例の一つだろう。
先にも書いたが、台湾南部の都市、高雄も日本語読みじゃないと、
本来その意味がわからない、というのと同じ系列じゃないかな。
「あれ、真面目な話?」
私は常に真面目な話しかしないのだよ、ペロ君。
「…さいですか」
という感じで、今回はここまで。
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