■バンコクで一番見る自販機
さて、今回はタイのコイン投入式機械事情だ。
「はい?」
バンコクは東アジア地域では珍しく、自動販売機が全く無いに等しい街なんだ。
そういや、この点も上海とそっくりだな。
まあ、香港と東京が異常に自販機だらけなんだが、
ここまで全く見ない、というのもちょっと異常だろう。
それほど治安が悪いとも思えないんだが…
「治安?」
自販機は置く場所を間違えると、現地の皆さんが大喜びでこれを破壊して
お金と商品を持ってちゃうんだよ。
1990年代のアメリカなんて、例外的に治安の良かったラスベガスか
よほどの高級住宅街のスーパーマーケット位でしか
自販機なんて見なかったんだ。
「ああ、なるほど。で?」
とはいえ、バンコクでは二つ例外があって、日本のガチャガチャ、
オモチャの自販機のようなものは何度か見た。
そしてもう一つの例外が、先に見たこれだ。
「真ん中のピンクの機械?」
うむ、それで、同じようなものは街中のアチコチで見る事が出来る。
これは2日後に立ち寄る大型商業施設内のもの。
上のとはデザインが違うから、いろんな種類もあるらしい。
ちなみに左に見えてるのがタイのガチャガチャ。
最初はガムの自販機かと思ったが、これスーパーボールだった。
「それも微妙に懐かしいな」
ちなみにスーパーボールってのは
最初に開発したアメリカのメーカーの登録商標名だから、
それ以外のメーカーのは厳密には
スーパーボールじゃないんだけどね。
「どうでもいいです、そんなこと」
全く持ってその通り。
で、さらにこちらはドンムアン駅にあったもの。
ちょっとオシャレ?
「で、なんなのよ、この機械。自販機なの?」
オチを先に言ってしまうと、体重計なんだよ、これ。
「…はい?」
だから体重計。
タイの最低通貨額1バーツ(約3.5円)で使う事ができる機械で、
ある意味では情報の自販機とも言える。
普通にコインを入れて、下に見えてる台に乗ると体重が量れるんだ。
ドンムアンの機械には身長ごとの平均体重と、
痩せ型と肥満型の目安まで出てたよ。
「え?ホントにただの体重計?」
ホントにただの体重計。
実際にお金を入れて乗っかるとこんな感じ。
「あれま、ホントに体重計だ。体脂肪率とかは?」
そんなものは知らぬ、通じぬ。
「なんでわざわざお金払って家の外で体重量るの?」
そんなものは知らぬ、判らぬ。
バンコク、街中で皆がスマホやタブレットを普通に使ってる電脳大都会だが、
体重計だけは家にないのかなあ。
「なんで?」
さっぱり判らん。
少なくとも、私が訪問した東部アジアの都市で、
こんな文化があるのはバンコクだけだ。
10年前も見たんだけど、まさかまだあるとは思わず少し驚いたよ。
…タイはムエタイ、すなわちキックボクシングが盛んだから、
試合前の選手が出先ですぐに体重を測れるようにかな?
「どんな国だよ、それ」
低所得者階層だと体重計が買えないのか、とも思ったが、
そもそもそういった人たちが体重を気にするかなあ。
「謎だね」
まあ、例によってこれも謎、という事になるね。
ちなみに今回の旅行の密かな目標が旅行で痩せない、なのさ。
そういった私にとっては意外にありがたい機械だった。
「さいですか」
昨年のアメリカ旅行で帰国後、3kg近く体重が落ちてしまって、
体脂肪率がギリギリ10%とかになった結果、
周囲からヤバイ病気もらって来たんじゃないの、
という不要な詮索を受ける事になった屈辱を繰り返してなるものか。
「歩きすぎだろ。もっと優雅な旅行を目指しなよ」
ごもっとも。が、余計なお世話だ。
誰も好き好んで貧乏旅行をやってるわけではないのだよ(涙)。
とりあえず上の写真は旅行4日目の体重で、
衣服とナップザック、さらにカメラの分を差し引いていも
出発前とほぼ同じ、ここまでは問題なしだ。
実際、今回は可能な限り、食事を取るよう気をつけたからね。
「差っぴくのは衣服とナップザックとカメラだけでいいの?」
靴は軽いし、財布はもっと軽いから(涙)問題ないさ。
できればちょっと太って日本に帰りたい、が今回の野望なのだが、
さてどうなるやら。
「さいですか」
という感じで、今回はここまで。
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