■そこでは全てが狂ってる
で、今回のオマケコーナーはこの初日の晩御飯だ。
「なんでわざわざオマケコーナーで?」
それはこの写真を見れば判るさ。
例の日本人専用歓楽街らしいタニヤで見つけた細長いお店がこれ。
「ああ、吉野家……じゃないのか、これ?」
そう、この店構えとオレンジを基調とした店構え、
遠くから見て吉野家だと私も思ったんだが、
近づいてみたら、牛野屋さんでした(笑)。
ちなみにローマ字表記だと“ぎゅうのや”だけど、
吉野家のパチモンなんだから“うしのや”が正しい気がするぞ。
「いいのか、これ…」
吉野家もバンコクに進出しているから、
日本で勝手に黄色と赤のロゴでワクドナルド ハンバーガーを
設立しちゃったようなものだろうなあ…。
ただし、ここ以外では見かけなかったので、まあ個人商店という事で
見逃されてるのかも知れない。
「へー。バンコクでも牛丼人気なのかね」
いや、これは例によって日本人専用のチョーボッタクリ店なんだよ(笑)。
話の種に、と思って入ってみてビックリ、
牛丼が一杯140バーツ(約490円)だぜ。
「490円?それって…」
そう、日本より高いんだ(笑)。
2014年現在、日本で一杯300円の吉野家の牛丼が、
物価が1/2以下のバンコクで、
タニヤにあるニセ吉野家に入ると490円する、という事だね。
「狂ってるなあ…」
ほんとにこの一帯は最低だったよ(涙)。
ちなみに本家の吉野家だと99バーツ、約340円だった。
「本家より高いのかよ…」
しかもまずかった(笑)。
ホントにこの街で金を払ってる日本人は
よほどアタマが優れないとしか思えないぜ。
しかもそんな店で金払って食事しちゃったんだよ、今回…。
「あれま」
店の中はこんな感じで完全に吉野家じゃん、と思う。
ちなみに一人先客がいたんだが、注文は日本語だったので、
あの人も日本人らしい。
「いいようにボッタくられてるんだ」
まあ、私も今回は人の事を言えない訳だが、
日本人はホントにいいカモなんだろうなあ。
店に入って140バーツの値段を見たときは泣きたくなったよ。
「それでも商売になるんだねえ」
ただし、タイでは牛丼もちょっとオシャレな食事、
という特殊事情があるんだけね。
本家 吉野家の99バーツも、タイの食事としてはそこそこのお値段で、
タイ人向けの地元ラーメン屋にあるチャーシュー麺より高かった。
屋台の食事と比べたら、倍以上の金額だし、それなりのもんだろう。
実際、99バーツは現地の感覚だと800〜1000円近い金額だし。
「牛丼が?」
ラーメンもそうだけど、ここらあたり、
日本食はどれも高級、という印象があるのかもしれない。
なぜかは知らないが、アメリカでもイギリスでもアジアでも、
日本食は基本的にちょっと高級で、少し気取って行く店なんだよ。
欧米だとスシが基本だったけど、最近はラーメンも、
ちょっと気取ってゆく日本料理になりつつあるのは
最近の旅行記で説明した通りだ。
「で、牛丼?」
まあ、あれも日本料理、という事なんだろうなあ…。
吉野家、アメリカでは普通に安い食事だったけどね。
香港でも安くは無いけど、高くも無い、という店だったから、
バンコクがやや特殊、という部分はあるだろう。
まあ、アメリカだとペプシコーラと牛丼のセットメニューとかあったりしたけど…。
で、タイの吉野家には入ってないんだが、メニューを見た限りでは、
日本の大盛りと同じ量に見えたから、日本では360円の品。
となると99バーツ、約340円という値段設定はかなり強気だ。
最初から高級料理、というイメージがないと
できる価格設定ではないだろう。
「そういうもんかねえ…」
ちなみにメニューはこんな感じで、完全に日本人が相手、というのがよくわかる。
「あの丼の器…」
うん、妙に芸が細かくて、こんなとこまで吉野家そっくりなのさ。
ちなみに牛丼と焼肉カルビ丼が10バーツ(約35円)しか違わず、
だったらそっちにすりゃ良かったと思ったり。
まあ、とりあえず二度と来るか、という内容ではあったね。
これにこりて、以後、パッポンとタニヤ界隈では一切、
食事も買い物もしなかった。
「だよねえ…」
もっとも、この大敗北をバネに、
翌日からはバンコク食事大行進祭りが始まるんだけども。
という感じで、今回はここまで。
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