■変な像の逆襲 2014
さて、今回は2009年の上海旅行記以来となる変な門番の話だ。
ワット ポーは、巨大な門番石像でも有名なんだが、
それらの造形がどうも妙なのよ。
「はい?」
つまりこれ。
「ああ、この手の奴ね。タイでは狛犬ではないんだ」
いや、それもあったんだけど、基本的にはこの二人組み、
左のやや温和な感じのヒゲと、右のやや険しい表情のヒゲの組み合わせが、
あちこちの入り口に立っていたのさ。
明らかに中国式で、やはり中国仏教の影響は大きそうだ。
ただし、元はタイ式の彫像だったのを、涅槃仏製作をはじめとする
近代改修をやったラーマ三世が中華風にして置き換えてしまったらしい。
なんで中華風を選択したのかさっぱりわからんが…。
「で、誰なの、この二人?」
これまた、さっぱりわからん。
「無責任だなあ」
そもそも仏教にこんな中国風の衣装の連中が出てくるわけ無いんだよ。
例外は中国発祥の仏教である禅宗だが、
あれ、偶像崇拝の色合いは薄いからなあ。
「さいですか」
あるいは、クトゥルフ神話の化け物?
「…あんた自分が何言ってるかわかってる?」
もちろん。だって実際、こうなんだぜ。
別の場所にあった温和なヒゲ。
「確かに人間離れしてるなあ…」
こっちは険しい表情のほうのヒゲ。
上海の狛犬で見かけた目玉が飛び出す表現がここにも見られるね。
「なるほど、こりゃクトゥルフ神だ」
でしょ?
でもって、こちらは上海や蘇州でも見た謎生物の狛犬。
「サル?」
サルっぽいけど、近くで見るとこうだからなあ…。
「…うん、謎生物だわ、こりゃ」
でしょ?
ちなみに上海や蘇州では左右で持ってるものが違ったんだけど、
タイのは左右とも玉のような物を持っているスタイルだった。
これ、桃太郎からキビ団子もらったんだけど、
最近は円安でこれ一個で鬼退治は割りにあわねえなあ、
と思ってるカニクイザルにも見えるな。
「それは例によってあんただけ」
といった感じで今回はここまでだ。
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