■アユタヤで日本語

今回はアユタヤにおける日本語というか、日本語の注意についてだ。

「日本語の注意?」

アユタヤは日本人の観光客がよほど多いのか、
そこら中に日本語の警告文があったんだ。
まあ、こんな感じだね。



これは例の木の根に取り込まれた仏像頭部の側で記念撮影する時の注意書き。
これに従った結果、あのカップルはしゃがんでいたんだ。
中国語の注記があるあたり、最近置かれたものだと思うが。

「“ら”と“う”か。惜しいね。でも絵も入っててわかりやすいぜ」

その通りだ。
が、これ、なぜか日本語だけ
仏像へ対して敬意を持ってください、の一文がないんだよ。

「どういうこと?」

タイ語はわからないが、英語、中国語、ともに最後に
仏像に敬意を払ってね、という注意書きが入ってるんだけど、
日本語だけそれがなく、高い位置に立つな、という警告だけだ。

「なんで?」

さっぱりわからん。
でもって、日本語の説明だけ他と異なる、というのは
他にも結構あったんだよ。



これはアユタヤの主要な遺跡の入口には必ずあった注意書き。

「そりゃそうだ、という内容ジャン」

基本はそうなんだけど、上の段の真ん中に注目だ。
すべて遺跡の上に登ってはならぬ、という注意書きなんだけど、
上段真中の日本語だけは単に登るな、ではなく、
ヤケに具体的な注意なんだよ。
英語とタイ語では、そんなことは書いてない。

「あー、つまり…」

アユタヤに来る日本人は、
相当、マナーが悪かった可能性が高い気がするなあ…。

余談だが、絵画や壁画ではなく、
仏像をImageと呼ぶというのは初めて知った。
まあIdolと書いたら仏教徒への宣戦布告だから、
こういった表記が使われてるのかも知れないが…。

「さいですか」



で、最後は日本人側には問題がないケース。

「日本語に問題だらけじゃん。…機械翻訳の失敗?」

どうだろう。
そもそも原文にそんな単語はどこにもない、という文章だから、
一体全体、何をどう翻訳したのか全く想像が付かない。
英語はちょっと妙な言い回しだけど意味が通ってるし、中国もそうだ。
日本語だけが完全に崩壊してるんだよ。

ついでにこうして英文と中国語を並べると
表意文字である漢字の情報量の多さがわかるね。
ほぼ同じ内容なのに、文字量がこんなに短くなってしまうんだ。

「で、本来はどういった文章なの」

とりあえず英語から訳すと、

犯罪者が悪事を行なう事があるので、
あなたの私物や貴重品を自転車やオートバイに
置いたままにしないでください。
もし助けが必要なら以下の番号に連絡を

といったところだね。

「イベントは今週、あなたが知ってる?」

最初に言ったように、
そんな文章はおろか単語すらどこにもない。
タイ語はわからないが、英語と中国語にはイベントも今週も
微塵も登場してないよ。

「プロパティ?」

それは私物のことだと思う。
ただし英語でPropertyというと
個人の資産や財産といったニュアンスで、
そんなものを自転車やバイクに置いてく人間がいるのか?
という気もするが、口語英語ではそういった表現があるのかもしれない。
ここら辺りは私の英語力では断言はできないね。

「まあなんとなく意味は通じるのか…」

それなりの想像力が要るけどね。
といった感じで今回はここまでだ。


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