■古都アユタヤの日本車

さて、今回はアユタヤで見た日本車の衝撃についてだ。

「なんだそれ」

10年位前のバンコクでは日本の古い車が元気に走り回っていて
かなり感動したのだが、さすがに今回はほとんど見なかった。
ところがアユタヤではまだまだバンバン現役だったのさ。
ちょっと感動したので、少し紹介しておこう。

「へー」



まずはこれ。

「古そうな車だけど」

これは、トヨタの初代カローラだ。
高度成長期に突入した日本で爆発的に売れ、
現在のトヨタの基礎を築いた車だよ。
1966年に発売された車だけど、これは4ドアだから
1969年以降の後期型の可能性が高い。
初代は70年で生産が終わってるので、むしろ後期型の方が貴重かも。

ざっと45年ほど昔の車で、今の日本ではまず見ない。
それが普通に路上に停まっていたので、驚いたよ。
状態も良くて、よほど大事に乗ってるんだろうね。

「確かにきれいだね」

これ、コレクターやマニアではない、
普通の人が普通に乗ってるのがすごいと思った。
おそらく中身はかなり変わってしまってる可能性が高いが、
それでもすごいな、と。

「なるほど」



お次はこれ。

「上のよりは新しい?」

正解。ただしこれもカローラで、その3代目、
1974年から79年まで生産されたセダンタイプだ。
アルミホイルにラジアルっぽいタイヤも履いてるから、
それなりにお金かけてるみたいで、これもとてもいい状態で乗っていた。

私が見てる間にこのおじさんが乗って走り去ったんだけど、
これまた35年以上昔の車なのに、エンジンは一発始動、
ごく普通に走り去っていったので日本車すげえと改めて思ったね。

「さすがメイド イン ジャパン」

実際、この世代から日本の自動車産業が
世界で通用するようになったという感じで、
たしかこの三代目カローラが
初めて世界最大生産数を記録した日本車だったはずだよ。
ちなみにその前年の世界一はワーゲンのビートルだった。
そういう時代だね。



「日本車なの、これ?」

日本車だとも。
こちらはマツダのファミリアピックアップトラックだ。
2代目のファミリアのピックアップ型だから、1967年から78年まで、
10年以上生産された型のはずで、正直、細かい部分はよくわからん。
ホイールキャップがついてるので、1976年以降の最終生産型だと思うが、
それでも25年以上前の車だ。

「なんか生活感を感じる年季の入り方だね」

個人的には、そこが好きだったりするんだよ(笑)。
趣味ではなく、生活の一部として、長く同じ車に乗り続けるって、
なんともカッコいいなあ、と。

「別に狙ってやってるわけではなく、単に経済的理由では?」

そこがまた自然でいいのじゃ。

「さいですか」



で、最後。
アユタヤの遺跡を背景にオート三輪のミゼットが走ってるのが見えて、
なんだか妙に感動してしまった。

現地でのコピー生産もあったらしいが、
これはオリジナルのものじゃないかなあ。
初代カローラが残ってるくらいだし。

「絵になるね」

なるんだよ。
といった感じで今回はここまで。


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