■チャオプラヤーの名の下にタイ海軍の陰謀をあばけ!
「…なに、このタイトル?」
ククク…文字通りの意味さ、ペロ君。
この日この時この場所から、
タイ海軍の恐るべき陰謀を
インターネット経由で世界に情報発信するのさ。
「今時、インターネットで世界に情報発信とか
言ってる段階でダメだろ」
ククク…まあ、とりあえずこの写真から見てもらおうか。
「先に見た艦内写真とほとんど変わらないジャン」
その通り。だが、何か不自然じゃないか、この光景。
「え?…いや、別に普通だろ。そもそも軍艦の内部なんて
通常見かけないから、変だかどうかなんてわからんし」
ククク…甘い、甘いよ、ペロ君。
よく見てごらん、奥にテーブルがあってイスがある。
ここままではいい。
じゃあ、机も無く置かれている手前のイスはいったい何なんだ?
「…ああ、そう言われれば…。単に置く場所が無かったんじゃない?」
ククク…それじゃ21世紀のIT革命を生き残れないよ、ペロ君。
「今時、IT革命とか言われましても…」
このイスは明らかに地上の事務机用のもので、
普通、軍艦の内部で使うようなものじゃない。
こんな重そうなキャスター(輪)付きのイスなんて、
嵐で揺れる艦内を凄まじい勢いで転げまわるだろうから、
危なくてしかたないしね。
「はあ、さいですか」
だが、ここは博物館だ。
何の理由も無く、展示の途中に
そんなイスが置いてある可能性は低い。
「でも、ここはタイだぜ」
まあね。何でもありの国ではあるが、疑ってみる事は大切だ。
とりあえず、もう少しよく見てみよう。
「単なるイスだろ」
単なるイスに見えるね。
だが、何でここなんだ?
イスだったら、向こうのテーブルの横に置けばいいはずだ。
「単なる気分だろ」
もちろん、その可能性は高い。
だが、念のため、なぜここなのか、を知るために、
周辺部をもうちょっと良く見てみよう。
すると、こうなる。
「え?床の一部が光ってる?…じゃなくて、穴が開いてるのか、これ」
ご名答。
床に穴が開いて、下の部屋の天井にある蛍光灯が見えてるんだ。
つまり、穴が開いたけど塞ぐ予算は無い、
かつ、危険と言う札をつけて囲いを造るのも面倒だ…
「ああ、で、イスで隠したのか!」
おそらくそうだろうね。
ただし、知らずに座ったりすると、かなり危険だと思うので、
あまり誉められた対策ではないだろう。
まあ、さすがに建造から80年近い艦では、
こういった部分が出て来るのも、しかた無いのだろうが…。
ついでに高い位置にある軍艦の床板は艦内構造を守るため、
装甲を兼ねて一定の厚さがある場合が多いんだけど、
この艦の場合、ご覧のようにわずか数mmの厚さしかなかった。
これが日本製ゆえのチープさか、このクラスの艦では普通なのか、
私にはわからないけどね。
「しかしこれ、タイらしいといえばタイらしいのか…」
まあ、そうなるね。
実は、こういった細かい行動面を見た方が、
日本がなぜ先進国と呼ばれるのか、
他の国々と何が違うのかよくわかるな、と思ったりしたよ。
ちなみに奥のテーブルには記帳用のノートがあった。
ざっと見た限りでは、ここ半年で日本人および欧米系の人の
書き込みは無かったので、まだまだ穴場、というべき場所なんだろう。
といった感じで、今回はここまで。
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