■タイのアニメ雑誌
てなわけで、今回はタイのアニメ雑誌についてだ。
「どんなわけだよ」
とりあえず、今回現地で見かけたのがこれ。
「ごちゃっとした表紙だね」
確かにこれまで世界各国で見てきた
オタク雑誌の中ではもっともセンスがない表紙かもしれぬ(笑)。
まあ、かつてはオタクUSAのようなツワモノもいたわけだが…。
ただし、全ての絵に対してキチンと著作権表記がされており、
それなりにちゃんとつくられた雑誌ではあるようだ。
「人気あるの?」
それはわからん。
が、月刊ペースで出てるようだし、60バーツ(約210円)という庶民的な
価格設定からしても、そこそこ人気があるんじゃないかね。
ただし、この雑誌のホームページ、妙にガードが甘いので、
そのアクセス数を追いかけて見たら、
1日のユニークユーザー(個別の訪問者)数で平均が720前後、
ページビュー(読まれたページ数)で2000前後だった。
「そんな数字を並べられてもなあ」
この数字、ユニークユーザー数でウチの1/4以下、ページビューなら1/20以下なんだよ。
「…夕撃旅団以下?」
はい。
「ぜんぜんダメ、問題外じゃん」
そこまで言われる筋合いはないが、6500万人を超える人口を抱える
言語圏のメディアとしてはやや貧弱ではあるだろうな。
「で、なんで名前が全集?雑誌だよね?」
そこら辺りは、さらにようわからん。
ただし、そのヒントとなる気がする記事がこれだ。
「日本語の学習?」
だそうだ。
「…え?どれが日本語?」
左端の漢字の一覧だよ。漢字表記による海外の国名一覧だね。
「フランスが仏蘭西って…いつの時代の表記だよ」
少なくとも戦後の教育ではほとんど使われてないから、
昭和30年代前後までの日本語だろうなあ。
実際、希臘とか瑞西とか、今じゃ日本人でも読めないだろう。
「日本語なの、それ」
希臘でギリシャ、瑞西でスイスなんだよ。
戦前の新聞でも読まない限り、まず見かけない漢字だと思うぞ。
「なんでこんな日本語を?」
タイ語が読めないので断言はできないが、上の本文では
キチンとイギリス、アメリカ、タイとカタカナ表記があるので、
下の記事は無知から出たものではなく、むしろ日本語を知りすぎてる結果だと思う。
「そうかね?」
が、いまどきの日本語教育でこんな字は教えないし、
日本に住んで現場で日本語を習得したタイの人でもこんな日本語は知らないはずだ。
「だから?」
この雑誌の日本語担当者はかなりの高齢者じゃないか。
昭和30〜40年代に日本では全集ブームとでも言うべき出版の流行があって、
有名作家はもちろん、世界文学全集から世界ノンフィクション全集、
果ては世界思想教育全集なんてのまで出てた。
よって、この時代以前、戦前から戦争直後に日本語を学習してる人じゃないかなあ。
余談だが、世界ノンフィクション全集は、日本語ではここでしか読めない、
という書籍が意外に多く、古本屋で見たら買っておいて損はないぞ。
「さいですか」
まあ、全ては推測だけどね。
という感じで今回はここまでだ。
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