■イギリス海軍はビビらず



シェルターの内部。
内部の電子装備は戦後に搭載されたもの、という事なので、
もしかすると、このシェルターも戦後型かも。



が、ここの一番の注目は、何気なく展示されてる解説板のこの写真。
ベルファストの同クラス艦、HMSシェフィールド(HMS Sheffield)のものなんですが、
ここはまだ露天時代の艦橋でして、3人の乗組員が見えます。

彼らの視線が何かにクギヅケになってるのに気が付くと思いますが、
その視線の向こうに何か壁のようなものが見えてるの、わかるでしょうか。

あれ、波です(笑)。

先ほどの主砲を見下ろした写真でこの艦橋の高さがわかると思いますが、
そのポジションから全員、上を見上げております。
解説によれば水面から50mを超える高さのある波、との事。
50mってあーた、それ高層ビルの世界なんですけども…
波ってのはホントにスゴイもんです。

その中で、この露天艦橋で指揮を取ってるイギリス海軍の皆さんの勇気と言うか、
ガッツもスゴイものがあると思います。
私だったら、泣きながら艦内に逃げ込んでますよ、ええ。

シェフィールドはイギリスの大迷惑、微塵も感謝されんわ、危険きわまりないわ、
のソ連向け輸送船団の護衛任務に多く投入されたため、
北極海の荒海にもまれまくる事になります。
となるとその活動範囲は荒っぽいことで有名な北極海方面に集中し、
その結果、こんな波を何回もくらってたんだそうな。
シェフィールド、戦後まで無事生き延びてますから、軍艦てのは頑丈にできてるんですねえ…。

ついでに、その間に先に紹介した北岬海戦に参加するんですが、シェフィールドは
実は戦艦ビスマルクの追撃戦にも参加してた、という輝かしい戦歴を持ちます。
でもって、有名な友軍のソードフィッシュにビスマルクと誤認され、
11発の魚雷をぶち込まれながら、
全弾回避してしまった、という信じられんエピソードをも持つわけです(笑)。

余談ながら、その名を受けついだ戦後のシェフィルード(D80)は、
フォークランド紛争でアルゼンチンの対艦ミサイルを食らって撃沈されてます。
妙に航空攻撃に縁のある艦名なのでした。



他にもなんだか指揮に必要なさまざまな機材があるんですが、
ほとんどがカバーされてしまっていて、見ることが出来ませんでした。



そこにあったコンパス。
これも磁気コンパスみたいで、とりあえず参考用、という感じでしょうか。


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