■エネルギー充填120%



これは断熱材が取れた、むき出しの配管がされてるので、
おそらく温度が下がった蒸気を使う低圧用タービン側かな。
しかしまあ、巨大ですね、これ。



その先で。
この中のどこかがおかしいんで調べて、といわれてもアタマを抱えてしまう構造。
CADとか無い時代に、よくこれだけ立体的な構造を設計したなあ。
大まかに空間を確保して、後は現場合わせ、とかでしょうかね。



エンジンの横に置かれてた、真水製造機(evaporator)。
海水から塩分を抜いて真水を作る機械ですね。
ちなみに、これも蒸気駆動、との事ですが、どういう動作原理なのかはわかりません(笑)。

海の上では意外にも水は貴重品となります。
周囲に広がる海は全て塩水ですから、これは人間が飲むこともできなければ、
サビてしまいますから蒸気機関に使うこともできません。

なので、こういった真水製造機が積まれる事になるわけです。
ここからボイラーはもちろん、艦内で必要とされる全ての水を供給してました。

ちなみに、これ一つで1時間で6トンの真水が造れた、との事ですが、
相当に蒸気(燃料)も使ったはずで、そうそうフル稼働にはできなったと思います。



タービン前部の横の壁にあった出力調整所。
車で言ったらアクセルにあたる部分です。

蒸気タービンの場合、出力調整は、
タービン内のノズルにどれだけ蒸気を流すか、で行います。
なので、ボイラーから来た加圧蒸気をどれだけ通すか、
をこのハンドルで弁を開け閉めして調整するわけです。

ただし、これだけ大型の蒸気タービンだとノズルは複数取り付けれられてるのが普通ですから、
出力を絞る時は、そのうちいくつかを閉じてしまう、という方法もあります。

一番奥が前進用(Ahead)の調整弁、真ん中の赤いのが後退用(Astern)の調整弁、
一番手前は巡航用(Cruising)との事ですがよくわからず。
ちなみに弁によって調整される高圧蒸気が流れる配管は天井側にあります。



その横にあった各種計器。
一番上が出力表示で、右が前進時、左が後進時用。
それぞれ、全力(Full)、中間(Half)、微速(Slow)の三段階に分かれてます。
…えらく単純な分類ですが、それだけでいいのか?

ちなみに右の調整弁は上の写真の巡航用のもので、
そっちにはそっちで計器がちゃんとあります。


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