■科学の力の博物館だ
さて、そんなわけで今回から科学博物館の展示の見学に入ります。
ここでちょっと確認。
日本の代表的な科学博物館、上野の国立科学博物館だと、
飛行機も恐竜の化石もおんなじ科学扱いで、同じ博物館に展示されてます。
が、ロンドンの場合、人間が造った品々が科学博物館(Sience
museum)、
人間が関わらない自然の産物、恐竜の化石だとか、動物の剥製だとか、宝石といった鉱物などは
自然史博物館(Natural
history
museum)の管轄となり、展示はそちらにあります。
キリスト教的な発想だなあ、と思うんですが、人が造ったものはSience、
人が造ってないもの(つまり神さんが創ったもの)はNatural なのです。
ちなみに、上野の科学博物館は英語表記だと
National Museum of Nature and
Science、
国立 自然と科学の博物館になってます。
多神教の国はこうでなくちゃ(笑)。
で、この科学博物館も相当なものですが、
当然、人間がここ数千年で造ったものなんて、自然界の創造物に比べれば
無に等しいようなもんですから、自然史博物館の方がはるかに巨大です。
(研究機関を持ってるから、というのもあるが)
この分類は、アメリカのスミソニアン協会も踏襲しており、
ワシントンDCにある博物館は
工業および人間社会に関するアメリカ史博物館(National
Museum of American History)と
自然史博物館(National Museum of Natural
History)に分かれてます。
アメリカ史というまとめで、人間が造ってきたものを集めてるわけです。
なのでそちらには、自動車からコンピュータまで、さまざまな“科学技術の産物”の展示があります。
ついでながら、上野の国立科学博物館の元ネタはスミソニアンの
自然史博物館で、建物の構造からパク…参考にしてます。
ただし、スミソニアンの場合、協会が飛行機に関する学会を持ってた関係で
(ライト兄弟の協力者であったが、後に最大最強の敵となる)
航空機と宇宙関係が別の独立した博物館になってるわけです。
では、具体的に見てゆく前に、簡単に博物館の構造を説明しときましょう。
とりあえず、全体図がないので、グランドフロアと1階部分のみのマップを。
日本だと、1階と2階にあたる部分。
ここは地下1階+地上6階の建物で、基本的に上に載せたマップのような構造になってます。
地下と5階6階はちょっと異なるのですが、
とりあえず、これの下半分だけ、と考えてもらえばほぼ間違いないです。
右の1階(日本式だと2階)のマップで、一番奥が独立した部屋になってるのに注目。
後で説明しますが、ここは新館で、ほかの施設からは切り離されてます。
一番下、もっとも広い空間がもっとも何もない部分で(笑)、マップ左側のG階(日本式には1階)では
ここが受付とミュージアムショップになってます。
右側の1階(日本式の2階)ではちょっとしたギャラリーになっていて、企画展が行われてました。
ちなみにこの博物館もクロークルームがあるので、
受付の奥でデカイ荷物は預ける事が可能です。
ただし、有料か無料かは確認して無いので、あしからず。
で、とりあえず最初はグランド フロアから回るわけで、そこを例にとって説明しましょう。
ちなみにマップ上の灰色の線が私の移動したルート。
入り口から入って、左手にある受付を通過、そこから中に進んでるわけです。
展示コーナーは大きく4つのブロックに分かれます。
まずは第一展示室とでもういう感じの、最初のブロック。
3階上まで吹き抜けになっており、つまり3階までは何もない…と思ったら、
回廊周りにもかなりの展示があったりするので油断が出来ない。
ちなみに4階から上には吹き抜けは無く、このため、
4階の航空機コーナーはえらい密度の展示になってます。
写真は2階の回廊から見下ろしたところ。
画面中央にあるのは館内にあるIMAXシアターなど、有料施設のチケット売り場。
有料なのはシアター&航空シミュレータ系のアトラクションで、
他は全て、無料で見れるエリアに展示されてます。
でもって、今回はその手の施設は全く見てません。
そんな時間あるかってんだ(涙)。
マップで見る、同じフロア内は、一つの長細い部屋に見えますが、
内部は明確に区切られており、ここが二つ目のブロック。
このブロックは上の階までの吹き抜けは無く、各階ごとにまとまった展示があります。
で、これがその次、3番目の展示室。
ここは2階までが吹き抜けになってます。
よく見ると、向こう側の回廊が3階建てにみえますが、あれは中2階とでもいう展示で、
たった今、この写真を見てその存在に気が付きました(笑)。
はい、あの展示は見忘れましたよ。
最初の展示室の中2階は気がついたんですが、まさかこっちにもあるとは…。
ここも隠し部屋多いな(涙)…。
でもって、最後がこれ。
ほとんど別の施設じゃん、という感じですが、これが新館で、ほぼ独立した建物になってます。
上のマップで右側の1階の一番奥で、独立した部屋になってるのがここ。
グランドフロア(日本の1階)だけが繋がってるほかは全く旧館とは連絡通路がなく、
一度入ってしまうと、これを全部見終わるまで他に回れません。
つまらない展示ではないのですが、体験型のものが多く、資料的な価値がある展示は少なめ。
せっかくここまで来たんだから、貴重な展示物を見たい、という人は、ここをカットして、
手前の旧館から見てしまうのも手です。
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