■世界同時革命のために


さあ、オマケコーナーだ!
立て!全国の同志ペロ君ニエフ諸君!

「無茶言うな」

おお同志たち、わが魂の同志たちよ、聞いてくれ。
実は冷戦展示棟の見学は
まだ終了していない、と諸君に告白せねばならないのだ!

「ダメじゃん」

同志諸君!聞け!レーニンは死んだ!

「そりゃそうだ」

だが!彼の魂に安息は訪れたのだろうか!
死は革命の闘士にとって、安息を意味するのだろうか!

「本人に聞けよ」

私は、その答えを知っている。
知っているのだよ、同志諸君!
死は彼の安息ではない。
本当の安息は、そこにはない。
答えはコスフォードにある。
静かに沈み行く永遠の帝国の田園に、彼は居た。

「さいですか」

ここに冷戦展示棟の最後の扉をあける時が来た事を宣言しよう。

同志諸君、私は悪意で隠していたのではない。
純粋に、怖かったのだ。
その扉の先には、コスフォード博物館のミュージアムショップがある。
そう、資本主義の、否定されねばならぬ市場主義経済の
最たる空間がこの先にあり、レーニンは、そこに居るのだ。

レーニンは、ミュージアムショップに居る。

同志諸君、世界は革命されねばならぬ。
同志諸君、人は変わらねばならぬ。
長い夜は、美しい夜明けで終わらねばならぬのだ!

マルクスが真理に目覚めた大英帝国の地で、
我々は、新しいレーニンを知ることになるだろう!
心あるものは見るがいい、革命の闘士、レーニンの真の安息を!

それがこれだ!





「…ショップの袋持って仁王立ちしてますよ、レーニンさん」

刮眼せよ同志諸君!
これほど楽しそうな同志レーニンをかつて見たことがあるか!

「あったらエライ事だろうよ」

レーニンは負けたのではない。
市場経済が勝ったのではない。
勝ったのは心だ。
人の心が、永遠の革命の闘士に安息を呼んだのだ!

「いいように利用されてるだけに見えるぜ、レーニンさん」

まるで後光が差してるようではないか!

「後にライトがあって、頭部で反射してるんだよ」

……

「……」

…同志諸君、いいのか、これ !?

「本人に聞いてください」



とりあえず、そんなミュージアムショップに栄光あれ!


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