■イギリス国鉄ちょっといい話
というわけで、ようやく旅行記4日目に入ります。
この旅行記、8日目(7泊9日)まであるんんですが、
終わるのか、と漠然とした不安を抱きつつ…。
今回の旅の最大の目的は、最初に書いたように、飛行機写真の撮影です。
当初は前回訪れたた博物館を全部、もう一度回ろう、と思ってたんですが、
さすがに現地4日目にして、ほとんどロンドンの観光をやってない、
という状況に、本人もうんざりしつつあります。
なので、最後にもう一箇所だけ回って、後はもういいや、と考えた。
(あくまで航空博物館の話。飛行機はこの後もやたら登場します(笑)…)
で、最後の一箇所をどうするか。
当初の予定だと、前回訪れた帝国戦争博物館ダックスフォードに行き、
最後に、初訪問となるコスフォードのRAF博物館に行く予定でした。
イギリス空軍、アール エー エフことRAFは
専用の博物館を二つ持ってる、というデラックスさで、
その一つが二日目に行ったRAF博物館ロンドンでした。
で、残りの一つが、コスフォード(Cosford)にあるのです。
これを、どっちか一つだけにする、というわけで、さて、どっちを取るか。
ダックスフォード、コスフォード、ともにロンドンからは距離があるので、
行くとなったら、一日潰す覚悟がいります。
(ただしコスフォードの方が倍以上遠い)
実はこの日、3月5日というのは、スピットファイア初飛行の記念日で、
それに関するイベントがコスフォードのRAF博物館である、
というのは、出国前に調べて知っていました。
なので、せっかくだから、初訪問となるこっちにするか。
そんな感じで、航空博物館三連戦のトリを飾るのは、
コスフォードのRAF博物館と決定となります。
でもって、そのコスフォードのRAF博物館てのは
どこにあるのかを地図で確認しときましょうか。
ロンドンのはるか北西、イギリス有数の大都市である
バーミンガムの近郊、といった感じの場所です。
コスフォードという地名は、おそらくイギリス人でも知らん人がほとんどだろう、
という感じの場所で、この博物館以外何も無い、という土地です。
ちなみに上の地図に書き込んだ白い線一本が100kmなので、
ざっと200kmある、という事になります。
日本だと東京−松本、東京−浜松、
あるいは大阪−倉敷とほぼ同じ距離。
一見するとえらく遠いですが、現在はヴァージン社が、
その直前にあるウルヴァーハンプトン(Wolverhampton)まで
直通の高速電車を走らせており(特急ではない)、
約1時間50分でウルヴァーハンプトンまで行け、
そこから後は15分ほどでコスフォードにたどり着けます。
2時間15分前後で行けるわけで、余裕で日帰り圏内です。
実際の行き方としては、ロンドンからだと、ユーストン駅から出ている
ウルヴァーハンプトン行きの電車に乗り、
終点のウルヴァーハンプトンで、シュースブリー(Shrewsbury)行きに接続、
そこから4つ目あたり(はっきり覚えてない…)の駅がコスフォードとなります。
ここら辺、日本からでもNationalrail のサイトに行けば、時間、運賃、
といった必要な情報は簡単に手に入るので、いい時代になりました。
(曜日、時間帯で運賃が異なるので、日付指定を間違えないよう注意)
ついでに書いておくと、鉄道で行く場合、週末がお得になるでしょう。
理由は、その運賃体系。
イギリスの国鉄は、日本の鉄道とは料金体系が全く異なります。
日本の場合、鉄道運賃は距離によって固定ですが、
イギリスの国鉄に定額の運賃はありません。
それこそ、曜日、シーズン、時間帯によってコロコロ変わるのです。
なので、駅で運賃表を探しても、どこにもありません。
切符を買う時に、初めて運賃がわかるのです(笑)。
よって、上記のNationalrail のホームページにある運賃検索は、
イギリスで電車に乗るには必須のサービスとなってます。
国鉄駅の切符売り場。
ご覧のように券売機(画面左)があるだけで、どこにも運賃表がない。
固定された運賃ではないので、表示できないからだろう。
今のタッチパネル式の券売機なら、もっとも安い運賃の切符を
一番上に表示してくれるので、それほど困ることもないはず。
ちなみに、基本は往復で購入だが、片道でも買える。
ただ、往復で買ってしまったほうが、多少割引になるみたい。
(ならない線もあるとのこと)
で、現在のイギリス国鉄では、大きく分けて二種類の運賃があります。
■常時利用(anytime)
■混雑時間外(off-peak)
これ以外にもあるんですが、
海外からの旅行者が関係するのは、ほぼこの二つでしょう。
常時利用はその名の通り、一日中、
つまり列車が運行されてれば、いつでも乗れる切符。
当然、高いです。
そして混雑時間外、これはラッシュアワーを避けて
それ以外の時間だけ利用可能な切符。
基本は朝7時から9時まで利用禁止なのですが、
路線によって禁止時間が異なる上、
夕方も使えない線があるらしいので、
購入時に時間の確認をした方が安全でしょう。
上で書いたNationalrail のサイトで
行き帰りの時間を入力し、 料金一覧の中から、
Off-peakのチケットが選択できれば、利用可能です。
で、ここまでが、平日に国鉄を利用する場合の話。
これに対して、土日の休日は、ほとんどの線で、
終日、この混雑時間外割引(オフピーク)が適用されてしまいます。
でもって、これの割引率が、半端じゃなく大きく、
ゆえに遠出するなら、朝から動ける土日がオススメとなるのです。
今回使ったルートだと、なんと約1/3、66%近い値引きとなります。
もはや異常ともいえる割引率。
逆に言うと、平日の朝早くに出て、夕方に帰ってくる、
という通勤ラッシュにぶつかるパターンだと、
実に3倍の料金がかかってしまうのです。
あな恐ろしや。
今回の場合、土曜日の朝に行って夕方に帰ってきて、
往復で45.8ポンド。約6000円でした。
片道200km以上ありますから、日本のJRより安いでしょう(笑)。
が、これが混雑時料金だと、実に157ポンド!でして、
なんと約20800円にもなってしまいます。
この差はデカイどころではない話となるわけで、
行く日、時間帯には要注意なのです。
ただし、路線によって割引率は異なるらしいので、
出発前にnationalrail のサイトで確認するのをオススメします。
調べるときは、出発地の名前と到着地の名前、
あとは日時を指定するだけなので、簡単です。
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