■おフランスの空はトレビアーン
さあ、セーヌ川に沈む徳川の埋蔵金を探す人間ドキュメンタリーも今回で4回目だ。
「さいですか」
いよいよ物語りは佳境に突入だぜ、行くぜだぜ、ペロ君だぜ!
「さいですか」
というわけで、まずはロンドンのRAF博物館の展示から。
「パリはどこに行ったんだよ」
いや、まずは世界の航空博物館の現実を見て置こう、と思ってね。
「現実?」
そうだ。さあ、この展示を見て何を思う?
「いや、何ってマネキンがたくさんいるなあ、くらい」
それでは半分しか正解ではない。
問題は全員男だ、という点なんだよ。
このRAF博物館も、帝国戦争博物館も、ベルファスト博(以下略)も、マネキンの9割は男だ。
ごくまれに、女性隊員の制服紹介とかで女性がいるくらいだろう。
少なくとも、イギリス、アメリカそのほかの国々のこの手の博物館ではそうなんだ。
夢も希望もあったもんじゃない。
「そりゃ、そういうもんなんだろう」
ダメだ、ペロ君、あきらめが早すぎるよ、世界には必ず勇気と希望があるんだよ。
「言ってる意味がわかりません」
我々を救う光明、そんな存在がこのパリの航空宇宙博物館なのだ!
「これが?」
うむ、これがだ。
手前のステキなマドモワゼルに注目しよう。
これ、何かの告知ポスターを見てる、という情景の再現なんだが、
そこに!この!マドモワゼルが!
「なんとなく、置いてみたんじゃないの」
ダメだ、ペロ君、フランス人をナメ過ぎだ。
そんなんじゃパリで盆踊りインストラクターになるなんて、夢のまた夢だぞ!
「言ってる意味がわかりません」
ヤツらはね、確信犯でやってるんだ。
女性のマネキンを、航空博物館に置きたくて置きたくてしかたないんだよ!
「そうかあ…」
そうなんだよ!その証拠にこれを見よ!
「前に載せたコンコルド機内の写真じゃん」
一番奥を、良く見てごらん。
「…ん?なんか居る?」
正解はこれ!
「…うわ、なんか怖いんですけど」
全く目立たない、そして意味も無い、
そんな場所に女性のマネキンが置かれてるのさ!
私なんて帰国して写真整理して、
記事に使うために画面で拡大して初めて気が付いた、
という位の場所に女性のマネキンが立ってるのだ!
「客室乗務員の方?」
だと思うが、それすらよくわかないくらいの展示なんだよ。
そして最後はこれ!
例の透明パーツで造られたミラージュF-1の前に唐突に置いてあったものだ。
「またえらくパッチリした目のお嬢さんだな。
なんのためにここにいるの?」
さっぱりわからん!というか、意味なんて無い!
ホントに唐突に置いてあるんだ。
「やっぱりただ置きたかった、という事?」
そう考えるのが論理的であろう。
とりあえず、世界の航空博物館に一石を投じる、
この方針を、我々としては全面的に支援して行きたいところだ。
野郎ばかりの展示は、もうたくさんなのだよ。
「さいですか」
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