■ドイツはどいつのために戦うのか



ホンモノですよ、これ。

1917年製のツェッペリン LZ-113のゴンドラだとか。
ドイツお得意の硬式飛行船、つまり頑丈な金属フレームで骨組をつくって上から布をはり、
その下に推進機関と操縦室を搭載したゴンドラをぶら下げてる大型の飛行船です。

LZ-113はぶら下がってるゴンドラが4つあり、これは最後尾に搭載されてたもの。
最前部にもこれと同じようなサイズのゴンドラが、そして中央付近の左右には、
これより一回り小さいサイズのゴンドラが二つ搭載されていました。

第一次世界大戦時の硬式飛行船の金属フレームは、軽量なジュラルミン製でして、
つまり航空機が全金属製になるよりも早く、
ジュラルミンによる機体構造を採用していました。
このゴンドラ部分も軽量なジュラルミンを主要構造部に使い、
強度を要求されない上半分は、さらなる軽量化を図って羽布貼りとなってます。
ここら辺の技術の蓄積が、のちにジュラルミンによる全金属製航空機の
製造に貢献することになって行くわけです。

このLZ113はドイツ海軍に配備され、
バルチック海で爆撃作戦に従事した、とのことですが、
これが対艦攻撃なのか、地上目標を狙ったものなかは不明。

最前部で横に飛び出してるのは恐らくエンジンの空気取り入れ口、
機体中央付近で横に飛び出してる四角いパネルはラジエターでしょうか。




ゴンドラをカッティングモデルにしてしまい、
中を横方向に通り抜けられるようになってます。
これは胴体後部を見たもの。
エンジンが1基はいっており、おそらくケツにはプロペラが付いてたんじゃないでしょうか。

当時の航空用大型エンジンは、ドイツもイギリスも背の高い直立エンジンばかりなんですが、
これは、大型のエンジンは飛行船にも使用する前提になっていたからで、
せまい空間に効率よく押し込むにはV型エンジンでは無理があったのです。



でもってこっちが前半部分。
こちらにもエンジンが2基つまれており、ご覧のように直立エンジンでないと
とてもじゃないが収まりきらないわけです。
が、よくわからないのがこの前部エンジンが回すプロペラがどこにあたのか(笑)。

当時の写真ではここら辺がよく見えず、正直、ここからどうやってプロペラを駆動したのか、
さっぱり見当がつきません…。

上のほうに付いてる指示器はエンジンに関するものでしょう。
しかしこれ、飛行中はうるさくて会話とか不可能だったんじゃないかなあ…。



その横にあったボンベ。
なんでしょうね。正体は不明です。



エンジン周辺を少しアップで。
最前部には舵がついてますから、ここからも操縦できたんでしょうか。
しかし、あの場所はうるさいわ暑いわで、夏場とかは地獄だったろうなあ…

良く見るとエンジン下部にドライブシャフトのようなものが飛び出してますから、
ここからチェーン駆動とかで外部のプロペラを回してたんでしょうかねえ…。

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