■国際日本語



さて、この雑誌のキャッチコピーがこれ。
表紙の左上にあるものだ。

「…オタク亡命を希望?」

いや、この場合Turning Jpanease だから
弁護士になるとか、キリスト教徒になる、という意味に近い。
あえて訳すなら、日本を身に着けよう、という感じだろう。
むろん、ここで言う日本はショーグン、ゲイシャではなく、オタク文化だ。

「それはそれで、微妙だな…。その横にある○に n のマークは何?」

これはさっぱり判らん。日本人の n かなあ…。
とりあえず、この手の雑誌の表紙に日本語をちょこっと入れておく、というのは
アメリカでも香港でもやってたから、万国共通なんだろうね。



で、それでやめとけばよかったのに…というのがこれ。
上の枠で囲まれた部分に注目だ。

「…一体この雑誌を持ってるとどんな目に…」

まあ、上は“取り扱い注意”、下は“水を近づけないでください”の事なのだが、
主語のないタイプの英文を、主語があいまいな日本語に翻訳する、
という場合にありがちな変な文になってしまってるね。

が、どっちにしろ、雑誌に書くような注意書きではない。
で、良く見ると、その下にMade in UKという表記があるだろう。

「イギリス製って事?」

うん。
でも、出版物では印刷した国を示すのに、通常、Printed in を使う。
Made in なんて言葉は使わないのさ。
実際、この雑誌でも目次の下にある本来の表記はそうなってた。

「…どういうこと?」

あくまで推測だが、これ日本製のプラモデルとか、フィギュアとか、
そういったのについてるバーコード表示部分をイメージしたものなんじゃないかなあ。
この手の表記は、日本人から見ると普通だけど、
海外から見ると、あ、これってニッポン、という部分なのかもしれない。

「そういうもんかね」

とりあえず、推測の域を出ないけどね。



で、最後がこれ。
表3、裏表紙の反対側の位置にあった広告だ。

「北海道がありませんが…」

日本の面積の1/5が失われてる状態なわけだが、
とりあえず、これが日本地図らしい。
で、これは夏のニッポン漫画ツアーの募集広告なのさ。

「なんじゃそれ」

まあ、あの箇条書きの部分がその説明だから、
上から日本語にしてみよう。

■ツアーには以下の内容が含まれます:

・日本のトップアニメーター、宮崎駿がデザインしたジブリ博物館の訪問。

・世界で一番、忙しくて、激しくて、そしてわけのわからん都市、東京のガイド付きツアー。

・何ダースものアニメと電子製品の店が立ち並ぶことで有名な秋葉原を訪れます。

(以下は宿泊条件、通訳が同行すること、利用空港の案内など)


といった感じ。
どうでもいいが、ここのホームページを見たら、
文京区役所から見た富士山と新宿の写真が使われていて驚いた(笑)。

「…微妙って言えば、微妙な内容だな」

あと、8月のツアーなので、てっきりコミケとかに行くのかと思ったら、
それはないんだよ。

「まあ、わざわざ地球の裏から行くようなものでもないんでしょ」

そうかもしれん。
ついでに、この広告、さらに一つスゴイ点があるのさ。

「何?」

地図内の漫画から読み取れる日本語。
キチンと読み取れる文字が入ってるのは実は2箇所だけだ。
一つ目は一番上、青森県あたりに見える“11月のギジグナジウム”。
これはいい、問題は宮城県の辺りにある、二つ目の日本語だ。

「…読み上げていい?」

常に一定の品位を維持する本ホームページで、いいわけないだろう。

「よりによって、まあ、これか。偶然かね?」

わからない。
イギリス人だから、意味がわかってやってる気もするんだよなあ…。

はい、と言う感じで、今回はここまで。
次回はこの雑誌の内容を見てみよう。

「あ、ひっぱるんだ、このネタ」


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