■爆撃機以外のサービス内容について
ここら辺から展示が爆撃機から微妙な方向に。
これはこの博物館にしかない複座という珍しいFW-190A-8(U-1)。
まあ、このFW-190は地上部隊に対する近接支援用の戦闘爆撃機でもあるので、
爆撃機ホールにあっても、そんなに変ではない、という気もしますが。
ただしこの機体は戦闘機タイプのA型らしいですけども(笑)。
ちなみに手前に見えてるのはヴァルカン爆撃機の爆弾倉。
前回は別の場所にあったパナビア トーネードGR1A。
これも攻撃なので、爆撃機の一種と言えば言えるかも。
脱線します。
アメリカでは、流行性可変翼熱とでも言うべき設計思想が流行った時代があり、
その結果として、F-111、F-14、最後はB-1爆撃機といった
可変翼搭載機が次々と開発され、最終的に、どれもイマイチに終わります。
低速飛行時には翼を大きく広げて揚力を稼ぎ、
高速飛行時には畳んで小さくして空気抵抗を落す、という理想的なシステムのはずでしたが、
この最大の欠点は、それらの利点を帳消しにしてしまう装置の重さ、
そして複雑になりがちな装置の維持管理にかかる膨大な時間でした。
アメリカ空軍では、1970年以降、一人で世界の空を変えてしまったと言っていい
ボイドがこの装置に対して実際の数字を挙げて採用に反対した事もあり、
彼が表舞台に登場する前のF-111以外の戦闘機には搭載されませんでした。
(B-1爆撃機は彼の管轄ではない)
が、アメリカで流行ってる、といのは重要なポイントでして(笑)、
まさに速攻でソ連においてMig23という可変翼機がつくられ、
(研究は独自にやってたが、それを実機に採用したのはアメリカの影響だろう)
そしてこのヨーロッパ共同開発のトーネードにも採用されたのでした。
この機体の性能はよく知らんのですが、攻撃機としても戦闘機としても、
微妙な気が外見からはします。
…車だよねえ…。
フォードのゼファーとの事で、イギリス空軍が何かのために使ったものらしいです。
解説を読んでこなかったので詳細不明。
黒板のように見えますが、これは第二次大戦期の爆撃機部隊 状況確認ボード。
司令部にでも置かれてたのだと思いますが、
各基地の名前とその横に配備されてる機種名、そして出撃可能な機体と
現在は整備修理中の機体の数が、それぞれ一目でわかるように書き込まれていました。
これは地上からの爆撃機誘導装置、ジー(GEE/意味不明。普通はキリストの事だ)です。
昼間の爆撃は被害が多くて無理だ、とあきらめたイギリス空軍は対ドイツ爆撃を
夜間爆撃に絞ってゆくのですが(結局ドイツのレーダー&高射砲網でエライ目に会うが)、
なにせ夜間に目印のない内陸部に入ってしまうと、まともに目標に辿り着けるかは
極めて困難な問題となってきます。
このため、イギリス本土からドイツ方向にに向けて3本の電波を放ち、
指示された方向から各電波を受けるように
機体の向きを調整して飛べば、キチンと目標に向かえるようにしました。
これはその地上側の発信装置らしいです。
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