■なにせデビュー時代だからね



ソッピーズ 1 1/2ストラター(Strutter)複座 戦闘偵察機。

なんじゃ1 1/2というナンバーは、というとコクピット周辺の主翼を支えるW字型の
支柱(Strutter)の呼び名がこれらしいです。
なんでこれが1 1/2なのか、しかもそれを何で機体の名前にしちゃうのか、
21世紀に生きる(産まれは20世紀だが)日本人の私にはさっぱりわかりません…。

そもそもは海軍が観測機として造ったものらしいですが、
第一次世界大戦が始まると、イギリス空軍はもちろん、フランスなどでも広く使われます。
特にフランスは自国内でも生産して、4500機もの機体を配備、
これはイギリスの1500機の3倍近い配備数となってます。

ついでに、イギリス機としては最初にプロぺラの回転にあわせて弾丸を発射、
プロぺラを撃ち抜かないで射撃できるプロペラ同期機銃を搭載した機体だとされます。

ただし、この機体もレプリカです。



アヴロ 504K初等練習機。
第一次大戦末期に配備された機体ですが、1933年まで使用されました。
8000機という当時としては驚異的な生産数を記録してます。

この機体は墜落した機体から使えるパーツを集め、2機分を合わせて一つにしたそうで
主翼に関してはアヴロ 548Kという機体のものだ、とされてますが、
これがどんな機体なのか私にはわかりません。

でもって、その復元後も飛ばしてたらまた墜落(涙)、1972年に再度レストアされ、
1972年のRAF博物館開館にあわせてここに持ち込まれた機体だとか。



ソッピーズ パップ(Pup) 戦闘観測機(Fighting scout)。
“ドイツのアルバトロスが1回旋回してる間、パップは2回回ってしまう”
とパイロットに言わせたほど運動性に優れた機体で
1916年の秋から、17年にかけ主力機として活躍します。

制式名称はスカウトらしいのですが、前線のパイロットは
パップ(ニュアンスとしては子犬ちゃん)と呼んでおり、
本来はニックネームだったこっちが生き残ってしまったようです。
戦闘機の名前としてはどうでしょうね…。

このパップはイギリス海軍でも採用されていて、空母フューリアスにおいて、
世界初の空母への着艦を行った機体でもあります。

ちなみにこの段階ではフューリアス、まだ艦の中央部に煙突と艦橋が残ったままで、
艦首部分のみに飛行甲板を取り付けてる、といった状態でした。
このため、着艦は艦の後ろからアプローチして、
艦橋の前に出たら機体を横滑りさせ、甲板に滑り込む、というムチャな段取りで、
2回は成功したものの、3回目の着艦で事故を起してしまいパイロットは死亡、
やっぱり船体全部、前から後ろまで貫通した甲板がいるぞ、
という結論にイギリス海軍は辿り着く事になります。
(実際にそこまで行くには結構時間がかかるのだが)

ここのパップは1916年製のオリジナルで、3機以上の撃墜記録を持つ機体とされます。
フランスの博物館で眠っていたのを1960年に発見され、イギリスでレストア、
飛行可能な状態にしてしまった、との事(つまり大幅に作り直してる)。
後に民間の所有を経て、1982年にこの博物館に持ち込まれたようです。



パップは対ドイツの飛行船戦闘にも使われており、それがこの写真。
対飛行船用の焼夷ロケット弾だそうですが、
止めるヤツいなかったんかいな…。

実戦での使用があったのかは不明です…。


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