■とにかく金が余ってた


さあ、ペロ君、ロンドンに潜む巨悪に挑むこの連載も早くも2回目だ。

「さいですか」

さて今回、我々が正義の鉄槌をくだす画像がこれだ!



「……ゴミ箱?」

こんなに盛大に下に穴が開いてるのに?

「つーかえらい凝ったつくりだよね。ポスト?」

こんなに盛大に下に穴が開いてるのに?

「…興味ないから帰る」

まあ、せっかくだから、最後までつきあいたまえ。
これは砂箱だ。

「…はい?」

日本でも寒冷地の道路とかにあるだろう。
道路が凍結して車輪がスリップしてしまう場合に使う砂が入ってるんだ。
実際は砂よりも灰に近いみたいなものだったけどね。

「でもフタの上にロンドンって書いてあるぜ。ロンドンてそんなに凍結するの?」

冬場のロンドンの道路事情については知らないが、
これは馬車時代の名残がほとんどで、文化遺産のような面が強いと思うなあ。
これなんて、セントポール大聖堂に至る歩道のような狭い道にあったものだし。
で、上の文字は正確にはCITY OF LONDONで、例のロンドン市街区の事だよ。
ちなみに箱の中央部、白い盾に赤い十字のマークが見えるが、
これがイングランドの紋章というのは以前の旅行記で説明したね。
が、良く見るとこの箱の紋章は赤い十字の左上にもう一つ赤い十字が入ってるんだ。

「ゴミがついてる?」

いや、これがロンドン市独自の紋章なのさ。
もともとはこの市街区のものらしいが、現在ではロンドン市の紋章にもなってる。

「で、要するにこれはスリップ防止用の砂入れ?」

そういうこと。

「こんなにデラックスなつくりで?」

例によって金が余っちゃって余っちゃって困ってたんだろうな。

「…微妙に腹立つな」

微妙に腹立つだろ。はい、とりあえず今回はここまで。


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