■リバプール通り駅はステキな駅



しばらくすると、こちらのホームにも列車が。
市内中心部方向に関してはリバプールストリート方面行きしかなく、
しかもそれが終点ですから、それほど悩まずに乗れてしまいます。

で、ご覧のようにこの駅で電車待ってたのは私の他はおばさんが一人だけ。
一応、ロンドン市街といっていい場所にある駅なのに…
と思ったんですが、この周辺はバスで簡単に市内中心部に出れるからだ、
と後ほど気が付くことになります。

移動時間で見れば列車の方が早いのですが、なにせ20分に1本とかしかないので、
1時間に10本くらい来るバスの敵ではないのでした。

実際、私もこれを最後にこの鉄道は全く使いませんでした。
予定していたダックスフォード行きを中止しちゃったから、というのもあるんですが、
そこら辺はまた後で。



ご覧のように入り口の横にはボタンが。
乗る時もこれを押す必要があります。あ、車内のボタンも見えてますね。

でもって、イギリスの鉄道の特徴が車体の下部分。
なぜか、地下鉄も国鉄も、それこそあらゆる鉄道でホームと乗車口に段差があります。
20cmくらいなもんですが、車内放送でウルサイくらいに
下車時に段差に注意しろ、と連呼するので、未だに目をつぶると、
Mind the gapという言葉が脳内で反響します。

ついでに、これはロンドンを離れてもほぼ全部の駅にありました。
段差ができる、とわかってて作ったのが車両の方なのか、プラットホームの方なのか、
よくわかりませんが、あまり頭がよくないような…。
恐らくは蒸気機関車時代に作られた規格か何かの名残なんでしょうが。

余談ながら車内放送といえば、手荷物は必ず身近に置いて、持ち歩いてください、
というのもウンザリするくらい流れてました。
最初に聞いた時は置き引きや引ったくり防止のためか、と思ったんですが、
その直後に、持ち主がわからん手荷物は破壊します、と続いたので驚く。
テロ防止の方か、つーか破壊ってのはすごいな、と思いました。



まあ、10分程度でリバプールストリート駅に。

で、昨日はあせってたのと、改札出てすぐ列車に乗ってしまったので
全く気がつかなかったのですが、この駅もいい雰囲気ですね。
そろそろ7時半に近いのですが、まだ周囲は暗く、夜の駅みたいです。



こんな感じ。

後で登場するパリの駅もそうなんですが、
ヨーロッパの都市部の駅が独特の雰囲気を持つのは、
かつての蒸気機関車時代の名残、
というか当時の駅をそのまま使ってるからでしょう。

蒸気機関はお前ら正気か?ってなくらいに
盛大に石炭(&コークス)を燃やすため、デラックスなまでに煙が出ます。
当然、屋外での使用が前提なのですが、
多くの紳士淑女の皆様方が利用される都市部の始発終着駅では、
さすがにプラットホームを
野ざらし雨ざらしにするわけにはいかず、屋根と壁を造りました。

そうなると、とにかく煙がこもらないようにする必要があり
高い屋根の広大な空間がそこに登場する事になります。
ご覧のような異常とも言える高い屋根に支えられた全く区切りのない
広大な空間が出現することになるわけです。

ここら辺の事情を理解できないと、なんか宗教的な儀式でも
行っていたんだろか、といった感じになり、
よくいらっしゃる考古学者の皆さんのように、
なんでも儀式、祭儀用で片付けてしまう事になりますから、要注意。

余談ですが、アジアだとタイがまさにヨーロッパ型の鉄道網を持っていて、
バンコクにある長距離鉄道の駅は、この手のタイプになってます。

いずれにせよ、日本にはないタイプの駅です。



その屋根の辺り。
えらく凝ってます。誰がそんなとこ見るというのだ(笑)。

19世紀の大英帝国、世界最強の大金持ちで、もうどこでお金使えばいいかわかんなーい、
という時代に造られた結果、なんでしょうね。

そして、こんな事やってるから、二度の戦争で気が付けば財布はスッカラカン、
先ほど見たケンブリッジ ヒースのような駅を第二次大戦後は造りまくるハメになるのでしょう。


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