■ソウルの日本料理についての一考察
さて、通常とは異なる角度から
世界の真理の中心にアプローチするオマケコーナーだよ。
「さいですか」
今回はソウルにおける日本料理の立ち位置について考えてみよう。
「ご随意に」
今回はCOEXショッピングモールで見かけたお店を中心に見て行くぜ。
まずはこれ。
「どんぶり屋さん?」
いや、普通に日本食レストランで、そばや寿司もあった。
どんぶり、というのは店名なんだ。
なんというか、焼肉、という名の韓国料理屋さんみたいなものらしい。
「スパゲティという名のイタリア料理屋さんみたいな?」
そんな感じだね。
このCOEXショッピングモールは、そんなに海外の観光客が
殺到するような地区ではないから、地元の人向けの店だろう。
「韓国に日本料理店なんてあるんだ」
それが結構あるんだよ。
このショッピングモールの中だけで4軒近く見かけて驚いた。
でもって、寿司は国際標準で基本アイテムなんだが、
もう一つの国際日本食、ラーメンはほとんど見かけず。
「意外だね」
どうもコッテリ系の味は韓国では受けないらしい。
ラーメンが無い代わりに、意外なとこで蕎麦をやたらと見かけたんだ。
「ソバ?あれって日本人以外に受ける料理なの?」
正直、海外ではほとんど見ないんだけど、ソウルでは多かった。
ついでに、うどん、おでん、といったあたりも多くて、
この3つは日本語そのまんまで通じるみたいだ。
「へー」
ただし、日本人がハングルを見てなんだこりゃ、と思うように、
韓国の皆さんも平仮名とカタカナは苦手なようで、
ああ、惜しい、という感じの表記が多かったのさ。
今回はそこら辺りを見ておこう。
「あー、惜しいね」
よほど日本語に慣れないと、渡り鳥はわたりどりで、焼き鳥はやきとり、とはわからんよね。
が、このお店の場合、奥の絵、クマドリをした女形の役者絵の方がインパクトは強いな。
「微妙だねえ…」
例のサンプル展示式メニューの店の一つにて。
「…キムチ丼の…カツ丼?」
大筋でその通りなんだけど、どうもキムチとんかつ丼と書こうとしたようだ。
「とんかつ丼とカツ丼てどう違うのよ?」
さあなあ…値段と気分?
「なんじゃそりゃ」
最後はこれ。
「上のサツマイモカツレツは正しい表記なのに…。
でもって今度はカツレツどんか」
おそらくカツ丼、カツレツ丼、とんかつ丼は基本的に同じものじゃないかなあ…。
で、カシレシ、上ではちゃんとカツレツなんだけどね。
今回のソウルで、この“ツ”と“シ”、そして“ソ”と“ン”の間違いはイヤンと言うほど
見かけることになったよ。
実際、よほど慣れないと見分けられないだろうけど、
キーボード入力だと全く別だから、むしろどうやって間違えたんだ、という気もするね。
どう見ても手書きではないし、今時、写植とも考えにくいが、
あれだって電算写植ならキーボード入力だしなあ。
「とりあえず、この日本語表記も一種のファッション?」
この場合は、日本の焼肉屋さんのメニューにハングル表記があるような感じだろう。
日本料理、という演出の一部らしい。
ただし、日本の焼肉屋さんの場合、実際に朝鮮半島出身の方が多いので、
それなり朝鮮(ハングル)語も通じるだろうけど、韓国の場合、
普通に現地の人が日本料理屋をやってるので、
日本語の表記があっても、まず言葉は通じないと思ったほうがいい。
「そういうものかね」
とりあえず、私が入るような総額10000ウォン(約750円)以下の店はそうだったよ。
「それは予算が低すぎるのでは?」
それもあるだろうけど、意外なほど、ソウルではメニューに日本語表記はあるんだよ。
ここら辺りは、また後ほど見てゆこう。
とりあえず、今回はここまで。
「さいですか」
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