2020年3月上旬、妊娠1か月半ほどの眠るデイお嬢。この段階では外見に大きな変化はないものの体重が10%、20gほど上昇し始めており、妊娠したかも、と飼い主は期待し始めてました。
2020年初頭の段階で、夕撃旅団 デグー特捜班の構成はデイお嬢、トクさん、グウ母ちゃん、シロ殿、ブチ姫の5匹でした。
この内、デイお嬢とトクさんは夫婦であり、食物連鎖の万年最下位であるげっ歯目は、産んで増やして地に満ちちゃう子孫の繁栄を最大の目的とするため、当然、子供の誕生が予想されました、というか飼い主は最初からそれを期待してました。
そもそもウチのデグーがこんなに増えてしまったのは、賢くて飼い主と意思の疎通ができ、しかもよく懐いた(撫でられたり抱っこされたりは嫌いだが)デイお嬢の子供を見たいな、と思ったのが原因でした。
ハムスターに比べるとかなり大型ですが、それでも一つのカゴで多頭飼いが可能らしいし、こんな子がワラワラ居たら幸せであろう、6匹くらいまでなら飼えると思うし、と考え始めたのです。
そのデイの家族化計画の中で、2017年12月に受け入れられたのがグウ母ちゃんでした。デイお嬢を引き取ってわずか四か月後で、今思えばすでにデグーの魔力に取り込まれていたんでしょうね。
が、当サイトをお読みの方はご存知のように、オスとして引き取ったグウ母ちゃんはメスでしかも妊娠中、という衝撃の事実が発覚、4匹の子供が2018年1月に誕生、内2匹、ブチとシロが残留して現グウ母ちゃん一家が形成される事になります。
まあこっちはこっちでカワイかったのですが、頭は悪く、しかも当初の1年間は完全に人間不信一家でしたから(笑)、やはりデイお嬢の子供も欲しいな、と思い続けていたのです。
そうは言っても既に4匹も居て、新たにお婿さんを迎え、そこに子供が産まれたら軽く10匹を超えます。大丈夫だろうか、という事でしばらく様子を見ていたのです。そして2年近くデグーを飼育してみた結果、大丈夫、行ける、と判断したのが2019年の5月でした。この段階でデイお嬢は3歳の誕生日を迎えたので、平均寿命が6年前後とされるデグーではそろそろ高齢出産の危険を考える必要が出て来ます。
そこでお婿さん探しを始めようかと思っていたところに、六本木で売れ残って特売になってたトクさんを発見、これを迎え入れたわけです。なのでトクさん、デイのお相手という以外、あまり期待して無かったのですが、この子はこの子で賢くて人懐っこく(ただし我が道を行くタイプなので呼んでも来ない、気に入らないオヤツだと近づいてすら来ない等の個性があるが)、引き取ってよかったな、と思っております。
で、7月末に二匹は同居を開始、8月13〜16日の間で複数回の交尾を確認しました。
余談ですが、デグーは交尾とは別に、相手の後ろからのしかかるように乗っかる抑え込みをやります。どうも親愛表現であると同時に上下関係を示すものらしく、これはメスでもやるのです。デイお嬢と同居中にグウがこれをやろうとして拒否されたのを見ており、これがグウはやっぱりオス、と勘違いさせる原因の一つとなりました。
ちなみに交尾の場合、前日辺りからオスが妙に興奮してる事、相手の上に乗るのを何度も繰り返す事、など明らかに行動が異なります。また、交尾の後、なぜかオスのテンション上がって、ケン、ケン、キー、といった警告音に近い声で何時間も鳴き続けますから、あ、交尾したのだと判ります。
その後、10月6日に巣箱の上に血痕を発見、二匹ともケガは無いので、デイの妊娠によるものと判断しました。グウ母ちゃんの時は出産一月前に同じような出血がお尻からあって焦ったのですが、同じ現象ならデイお嬢は妊娠中であり、出産は11月上旬という事になります。ただし体重はわずかに10g前後上昇しただけで、微妙な感じでしたが、2〜3匹の出産ならこの程度の可能性もあると考え、妊娠と判断しました。デグーの場合、妊娠期間は3カ月前後ですからやはり8月の交尾で妊娠していたようです。
ところがその直後、10月19日の朝、デイが巣に籠ってしまいます。いや、速すぎるとと思ったんですが、そのまま出産が始まってしまいます。当然、未熟児の流産で、ほぼ形になりながらもまだまだ胎児の赤ちゃんが3匹、産まれてしまいました。
死産の子供はデイが食べてしまおうとするのですが(草食動物でも通常タンパク質の消化吸収はできるから不思議ではない)、一部が残ってしまい、それらは飼い主が拾って埋葬しました。
げっ歯目は骨盤が柔らかい若いうちに出産を経験しないと、初産は難産になりやすいと知識では知っていたのですが、まさか流産とは思っておらず、このため飼い主は少なからず衝撃を受けました。もう出産は諦めようか、とも思ったのですが、そうなるとデイお嬢とトクさんは別々の単独飼育になってしまい、寂しがり屋のデグーにそれは可哀そうです。なのでデイが4歳になる前まで、すなわち2月までに交尾、妊娠があればもう一度だけ出産に挑んでもらおうと考えました。
その後しばらく、両者とも発情せず、平穏な日々が続いたのですが、1月20日前後にトクさんが興奮し始め、21日に交尾を確認。それ以後も飼い主不在中に交尾した様子もあり、4月中旬の出産が視界に入って来たのでした。今回は、その出産までの記録を見て見ましょう。
3月17日、出産一カ月前、すなわち妊娠ほぼ二か月のデイお嬢(左)と旦那のトクさんが仲良く毛づくろい中。
デイがかなり大きく見えますが、これはまだ寒くて毛を膨らませてるからです。体重はまだ245gほど。お嬢の平均体重は195g前後ですから、まだ2割ほどの上昇です。ただし2、3匹の少数妊娠だとこの体重で出産ですから、飼い主が妊娠に気が付かない事もあるようです。
が、この頃からお嬢の巣作りがかなり熱心になって来ました。グウ母ちゃんのように「無ければ奪いに行くまで」というほど熱心にティッシュを集めるわけでは無いのですが、与えると片っ端から巣箱に持ち込み、その後「あらあら、まさかこれでお終いかしら」と次を催促にやって来ます。普段では見られない行動で、なるほど妊娠中だと確信する。
一生懸命、巣作り中。デイも普段からベッドは造るのですが、グウ母ちゃん一家ほどの熱意は無く、これは出産準備だと思われます。この段階でそろそろ出産1月前、例のお尻からの出血があってもいい時期なんですが、今回は確認できませんでした。起きなかったのか、飼い主が血痕を見つけられなかっただけなのかは判断が付かず。
ちなみにトクさんまでつられて巣作りに参加します。普段はまずやらないので、ちょっとビックリ。果たしてデイの妊娠に気が付いての行動なのか、それとも嫁さんの尻に敷かれてる旦那さんゆえの行動なのか、判りませんが…
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