■デラックス おまけ その2 ゼロ戦ゴー!


参考として、最後に米軍がテストしたゼロ戦のデータ。
時期からして、アクタン島に不時着した古賀機のデータのような気がするが、確証はない。
つーか、古賀機ってサンディエゴでテストしてなかったような。
ちなみにこのテスト、えらく適当な印象があり、
必要最低限のデータを取っておしまい、という感じで、ほんと最低限なものしかない。
1942年の段階で、米軍、ゼロ戦にすでに興味なかったのか?

手に入ったのは海軍がテストしたデータを陸軍がもらった、という報告書なので、
まあだいぶ、はしょったのかもしれない。

試験地:サンディエゴ(アメリカ海軍)

1942年10月前後?

A6M2(ゼロ戦21型)  シリアル不明  栄エンジン
◆武装:7.7mm×2門+20mm×2門  
機体重量2.52t(5555lb)  ◆オクタン価不明
最高速度  536km/h(335mph) 4877m(16000ft.)
3048m(10000ft.)での最高速度  データなし
6096m(20000ft.)での最高速度  529.6km/h(331mph)
実用上昇限界(Service Ceiling)  11280m(37000ft.)
上昇レート(ft./min)  
4572m(15000ft.)まで 2480
6096m(20000ft.)まで 1760
以下、参考スピットのデータ
Mk.V(5)  
4572m(15000ft.)まで 3045
6096m(20000ft.)まで 2280
Mk.V(5) Trop.  
4572m(15000ft.)まで 2540
6096m(20000ft.)まで 1900
Mk.I(ロートル社定速プロペラ)  
4572m(15000ft.)まで 2430
6096m(20000ft.)まで 1840

最高速度536kmは涙を誘うとしか言いようがない…。

上昇力のデータは、ほかのデータと違って上昇レートしかなかったので、
参考用にスピットファイアの上昇レートをのせた。
1分間の上昇高度をフィートで示したものなので、これは数字が大きいほうが優秀。
うーん。ゼロ戦、軽さが売りなんですがダメですねえ…。
3年近く古いスピットのIと上昇力でなんとか互角、でも最高速度では40km遅い…
最高速度 566kmだったMk.V(5)のトロピカル型とならなんとか、か。
うーん、世界レベルの性能ねえ…。

参考までに、あのダーウィンで行われたスピットvsゼロ戦の機体性能差を見てみると、
あの時のゼロ戦は22型で、これよりは新型。
多少、速度もあがっていたらしいので、スピットVのトロピカル型が相手なら、
実はそんなに大きな性能差にならないのだ。
あの戦闘はゼロ戦の圧勝に終わるのだが、
いわゆる「ヨーロッパの第一線の機体をケチョンケチョンにしてやったぜ」
というのとはちょっとわけが違う。
そもそも、前にも書いたが、暑い赤道の近所でMk.V(5)を使うなんざ狂気のサタなのだ。


はい、とりあえず今回はここまで。
次回はMk.VIII(8)&IX(9)で、おまけで109のG。
そんな感じで。

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