ちょっとブレてしまいましたが、正面からのエンジン部アップ。
とにかく口が開いてるのが紫電改の正面部でございます(笑)。

やや見づらいですが、エンジン開口部の上にエンジン用の吸気口があり、
エンジン開口部下に笑った口のようなオイルクーラー冷却用吸気口があります。
さらに一番下の機首下面、車輪カバーの間に
もう一つオイルクーラー用の吸気口があるのです。

プロペラに貼られてる黄色い紙は日本機のプロペラに貼られていた
整備に必要な各種情報が書き込まれたシール。



少し斜め前から。
この角度ならエンジン開口部上の吸気口もよく見えるかと。

デカいスピナーの中には例によってプロペラピッチの自動調整装置が入ってます。
紫電の段階で、それまで日本機でよく使われていた
アメリカのハミルトン・スタンダード式ではなく、
ドイツのVDM式を採用しており(雷電も同じ)、ゼロ戦などと違って、
スピナーの外までプロペラの固定具がはみ出してるのはそのためでしょう。
(厳密には電気式のVDM式を日本で油圧式に変更してしまったもの)

プロペラを根元から回し、その迎え角を変えてやるのが可変ピッチ機構で、
必要な速度、さらには高度によってもっとも効率のいい
プロペラブレードの迎え角を維持するように
設計されてる装置、と思っておいてください。

そのスピナーの根元、エンジン正面にある円筒部が減速機で、
プロペラ回転に対して速すぎるエンジン軸の回転を、
この中の減速歯車で適正な回転数に落としてます。

どうも誉(ハ45)エンジンは、この減速機部分が大きく、
紫電改や疾風のスピナーが前に飛び出してるような形になってのは、
それとの干渉を避けたからでしょうかね。



最後は微妙に中途半端な角度から。
18気筒、シリンダーが18本もある誉エンジンですから、
排気管の数も多く、ゼロ戦などに比べ、
かなり密集して配置されてるのもわかります。

この機体に関しては以上です。

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