やや上から。
この写真は35mm換算で90mmほどの望遠で撮ってますから、
形状的にはかなり正確に捉えてるはず。

エンジンカウルとプロペラスピナーを見ると、
そこに隙間が出来てるのが紫電改の特徴の一つです。
これだけスピナーとエンジン部に大きな隙間がある機体は
あまり他に例がありません。
ただし、同じエンジンの疾風、そして紫電改の母体となった紫電では
同じような隙間ができてますので、
もしかすると誉エンジンの構造的な問題なのかも。

左翼の手前で飛び出してるのはピトー管。

ついでに、ちょっと小さくて見づらいですが、
垂直尾翼のアンテナ線がアンテナの頂上だけではなく、
前部中間部にも繋がってるのに注意してください。

コクピット横のアンテナ上から横V字型にアンテナ線が伸びてるのですが、
日本国内で普通に見れる図面、図版等ではこういった構造は見られず、
普通に垂直尾翼上にアンテナ線が伸びてるものしか見当たりません。
この点がチャンプリンのレストアのミスなのか、
日本側の情報不足なのかはわかりませぬが。

お次も細かい部分ですが、20mm機関砲の直ぐ後ろで
主翼上に飛び出てる赤い棒、
これは主脚がちゃんと出てるよ、と着陸時にパイロットに知らせるもの。
パイロットから脚は見えませんから、あれで確認するわけです。



前方上から。
ここの展示では上からB-29に覆いかぶされらるような形になるため、
なかなか撮影が難しいです。
上の写真で見えてるプロペラブレードもB-29のもの。

余談ですが、後からみる空軍博物館の紫電改も
同じようにB-29の下に展示されており、
しかも両機とも、原爆を投下したB-29です。
偶然か、遠まわしなイヤガラセか…

こうして見るとこの機体のヤケに広いフィレット、
胴体と主翼を繋ぐカバー部がわかるでしょうか。
特に後部はかなり巨大でして、
なんでこんな形状に、と思ってしまう部分です。

こうして見ると、やはりあまり太い印象はないので、
胴体が縦に長いから横から見るとデブな感じなのだ、
というのが正解みたいですね。



これは古い写真。
以前は後部の上方向から写真が撮れたのです。

この角度だと、ムササビのヒレのように広がったフィレットがよくわかるかと。
もう少し、スマートなデザインは無かったんでしょうかね、これ…。

他にも主翼後縁部、外側のエルロン(補助翼)と
内側のフラップの主翼取り付け部位置に大きな前後差があるのにも注目。
これは紫電と紫電改の特徴の一つですが、
下面では、両者とも一直線に分割ラインが走ってます。
つまり上面のフラップは上半分がカバーがついたような状態です。

紫電改は隙間を作って後ろに広がる
ファウラー式フラップを採用してるのですが、
それでも上面の一部を隠す理由は特にないはずで、
ここら辺りはよくわかりませぬ。


NEXT