正面方向からの写真としては2008年訪問時の写真しか無いので、こちらを掲載しておきます。ちょっと古いカメラ(LX-2)なので画質がイマイチなのはご容赦。

この角度から見ると、主翼の上反角が小さいのが判るでしょうか。
胴体下に主翼を取り付ける低翼機は直進安定性を維持するため、主翼に上反角を付けます。翼端を上に跳ね上げ正面から見るとV字型に主翼を取り付けるのがそれです。こうすると進行方向を軸に機体が左右に傾いた時、機体を水平姿勢に戻す方向の揚力が大きくなり自動的に元の姿勢に戻るからです。詳細に説明すると終わらないので、ここではとりあえずそういったもんだ、と思っておいてください(手抜き)。

ただし安定性の向上は機敏な運動も抑えてしまう事になります。このため戦闘機などではより素早くロールに入るため、この安定性を犠牲にして上反角を小さくしたりもするんですが、それでもこのMC.200 の上反角はちょっと小さ過ぎる気がします。同じレーサー機設計屋あがりのミッチェルによるスピットファイアの上反角が主翼根元で6度前後なんですが、その半分の約3度くらいしかありません。
なんぼ戦闘機とはいえやり過ぎじゃないの、という設計で、やたらと操縦が難しかった、というのはこの辺りもまた原因じゃないかなあ、と思ったり。



もうちょっと斜めから。

まあ、特徴ある形状だなあ、というのが判るかと。操縦席の位置が高いので、この角度からでも主翼が邪魔になりません。
……まさか、この主翼の上反角の小ささ、視界確保のためじゃないだろうな…



ちょっとアップで。

プロペラ・ハブ、エンジンの回転軸にプロペラを取り付ける部分がやけに大きいのも気になる所。
速度に合わせて適切な角度にプロペラを動かす機構が入ってる所ですが、同世代のアメリカの空冷機を見慣れた目で見ると、なんでまたこんなに巨大なの、という感じに大きめです。どこのメーカーのものだろうと思ってちょっと調べて見たのですが、よく判らず。



脚収容部とエンジン下面。
エンジン下の四角いカステラの箱みたいなのがエンジンの空気取り入れ口。日本機以上に創意も工夫も無い形状で、カストルディ、意外にダメなんじゃないの、と思わされる所。ついでに、よく見ると左右の排気管では微妙に構造が異なるのも判りますかね。

主脚の収容部は中で繋がっていて大きな一つ穴になってます。Fw190などと同じ構造ですが、設計はこっちが先です。
やけに長い、脚引き上げ用の油圧ロッドなど、これで大丈夫だったの、衝撃で折れない?と思っちゃうところですが脚回りのトラブルはあまり聞かないのでなんとかなったんでしょうかね。

ついでに内側の車輪カバーの上に三本並んだ銀色の乾電池のような部分が見えてますが、恐らく車輪が収容される時、あれを押し上げてフタを閉めるようなってるのだと思われます。 すなわち内側の車輪カバーは無動力で開閉してます。

といった感じで、この機体に関してはここまで。

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