お次はエンジン周りとか。
右下に見えてるのは異常なまでに元気だった現地の子供。
ちなみに足部分は地上にあるため機体の重さで緩衝部が沈み込んでおり、
空中に浮かぶとこれが伸びてもっと長くなります。
シュトルヒもそうですが、この手の機体は地上では短足になってしまうのです。
ついでに手前の脚部のカバーには修復跡らしいツギ当てが見えます。
エンジン部。
…といってもよく見えませんが。
450馬力のハ-13甲型エンジンらしいですが、私は詳しくは知りませぬ。
プロペラの中央部にあるスピナー先端部の突起は発動車の動力軸に接合するためのもの。
陸軍にはエンジン発動用の自動車がありまして、
これでプロペラハブ(中心軸)を回してエンジンを始動します。
その発動車の動力軸に噛み合わせるのがこの先端の突起部分で、
日本陸軍機の特徴の一つです。
ちなみに艦載機が主だったからか、何か宗教的な理由からか、日本海軍には発動車がなく、
このスピナー先端部の突起も海軍機にはありません。
参考までにこちらは1930年ごろまでイギリスで使われていたエンジン始動車。
(Hucks
Starter/Hucksは製造者の名前)
日本陸軍も同じような車両を運用していたわけです。
写真はロンドンのRAF博物館にあったレプリカですが、
各種パーツ類は、ほとんどがオリジナルのものを集めてきたそうな。
下にオイルパンが置かれてますから、まだエンジン、生きてますね、これ。
車体のギアボックスにチェーンを繋いであり、おそくクラッチとギアレバーで操作してたと思われます。
そのチェーンで上の回転軸を回し、これをプロペラハブ(中心軸)に繋いで、エンジンを始動させるのですが、
その接続の噛み合わせに、上の写真の切り欠きのある突起部が使われるわけです。
ちなみにイギリスでは1930年代以降は火薬カートリッジスターター、
1940年代に入るとセルモーターがエンジン始動に使われたため、
この車両の運用は主に1930年代前半ごろまででした。
ちなみに写真の車体の解説板には、
でもねソ連と日本じゃ終戦までこの手の装置使ってたんですってよ、奥様、オホホホ…(一部意訳)
といった解説が書かれておりました…。
エンジンの銘板も残ってました。
あれ、これよく見ると固定ピッチプロペラ?
400km/h以下の速度なら、それでも何とかなるんですかね。
いや、でもプロペラの前にスピナーがあるって事は、
普通はここに可変ピッチ機構を入れてるはずですが…。
そうでなければ、スピナーなんて邪魔な重量物に過ぎませぬ。
うーむ、ここら辺り、どうもなんだかよくわからんところ。
機首周りを下から。
とにかく色んなところから排気管が飛び出してるのも、この機体の特徴かも。
横からの排気管はちょっと変わった断面型でもあります。
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