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コクピット周辺をやや後方から。意外に全体に凸凹があります。この辺り、外板が厚くてなめらかな米軍機と比べると薄い板なんだろうなあ、という感じです。 まあ日本海軍の機体とかはもっと凸凹ですけどね。 ついでに胴体の背中部分の外板は丸ごと上から乗っけたまま、段差在りのまま豪快にリベットで固定されてるのも判るかと。アメリカではグラマンがよくやる加工法でもあります。 アンテナ支柱の後ろにある水滴型のものは本来飛行中に使う編隊灯ですが、この機体では失われてしまったのか、それともレストア時に透明部品の上からペンキを塗ってしまったのか、いずれにせよ本来の姿ではありませぬ。 手前左、国籍章(ラウンデル)によく見るとアンテナ線が見えてますが、これが古い型のIFF(敵味方識別装置)用アンテナ線。後に高周波化されて尾翼の上に移動する事になります。 機首部のアップ。 この時期のエンジン排気管が尾びれ型と呼ばれるのがよく判るかと。 吊り下げワイアの横に見えてる上面の大きな丸い穴は胴体下にある燃料タンクへの給油口。これも本来は取手部分が見えてるはずなので、やはり胴体上面はレストア時に塗装がやり直されてると見るべきだと思われます。 排気管の左下に見える小さい穴はMk.Iにのみにある手動エンジンスタート用のクランクハンドル接続穴。 ただしMk.Iでも電動エンジンスターターは装備していたので、これは緊急用…と思ってたのですが、横にある注意書きを読むとFOR MAINTENANCE ONLY と書かれており、整備時の点検始動専用だった可能性ありますが詳細は不明とします(手抜き)。 ちなみにスピットではMk.IIでは火薬カートリッジでエンジンを始動するタイプに変更になるんですが、次の量産型Mk.V(5)では元の電動式に戻されます。ここら辺りもよく判らん部分ですが深入りはしません。 さらに後方から。 排気口部は機体表面から離れており、空力的な工夫も感じられます。もっともここはプロペラ後流の渦の直撃を受ける位置ですから、そう簡単な話では無かったはずですが。 機首部の上面が意外に平べったいのを見て置いて下さい。ついでに胴体後部のリベットはかなり適当で、一部は沈頭鋲ですらないのが判りますでしょうか。 この辺りはグラマンでも似たような手抜きをやってるので、意外に胴体後部のリベットは高速性に影響少ないんでしょうかね。まあ、当然、キレイにできるならそうした方がいいはずですが。 胴体後部全体を。尾部に向けてぎゅっと絞り込まれる形状がよく判ります。といった辺りでシカゴのMk.Iの記事はここまで。 |